何を願おうか










七夕の夜に












「ただいまー」
「おー、お帰りー」



あかりがうちに帰ると、ヒカルが出迎えてくれた

今日ヒカルは手合い休みで
1日のんびりしていたらしい

たまには出迎えてもらえるのも、いい気分だと思ったあかりだった

もちろん、仕事から帰ってきたヒカルを出迎えるのも好きだけれど
















「何持ってんだ?」



ヒカルが、あかりの手元に気づく
















「笹の葉とたんざくだよ」
「いや、見ればわかるけど」
「また忘れてるの?今日は七夕だよ?」



ヒカルは去年、七夕の日を忘れていて
あかりがたんざくを買ってきて、思い出したのだった

去年、あかりが七夕をしたのは
ヒカルの願いが叶うように

ヒカルが抱いている願いが叶うように

せめて祈ることだけでもしたかった

それだけのこと
















「また、お願いしよう?叶うように」
「さんきゅ」



ヒカルが願うこと
それは、ある人に会いたいこと

夢でもいい
会えたら謝りたい
話をしたい

もう一度だけでいいから



願ってはいけないことかもしれない
一度夢に現れた彼は、穏やかに笑っていたから


だから
思い出を忘れず、糧にして頑張っていこう


少しでも近づくために

彼が願った夢に、一緒に近づくために


この道を歩いて行くことを決めたヒカル

それを支えたいと願ったあかり





二人の願いは、それぞれ違うことだけれど
あかりがただ願うのは、ヒカルの幸せ

ヒカルの夢が叶うのならば
それがあかりにとっての願い

一番じゃなくていい

ただ、思っていたい
















「ヒカルはやっぱり、去年と同じ?」
「うーん…今年は増えたかも」
「たくさん書いていいよ!いっぱい買って来たから」



今日だけは、何を願ってもいいから

信じることから始めよう

いつか必ず叶うことを
















「あたしもたくさん書くよ!」
「そんなに書いて、叶えてもらえるのか?」
「今日はいいの」




今日だけは


願うことが罪にはならないから

思えば叶うことがあるはずだから















「叶うといいな」
「そうだな」





一年に一度

たった一つの願い

一年に一度の奇跡

天の川に届けて下さい













「今年は天の川見えるかな」
「雨だとか言ってたけど・・・」
「見えなくても、きっと叶うよね」
「たぶん・・・な」




届けばいい

許されるから

叶うことを信じて





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七夕でひかりネタでした。
去年3つもやってしまったので、去年とお話とリンクさせるしかなかったのですが。
毎年こうやって、あかりちゃんと佐為さんのことをお願いするのです

進藤さんのもう一つのお願いは、あかりちゃんがずっとそばにいてくれることです。
佐為さんのことも大切だけれど。思い出して、涙を流してしまいそうにもなるけれど
支えてくれる人がいる。泣ける場所がある。
それは何よりも、前に進んでいく支えになるからです。
あかりちゃんは毎年、進藤さんとのことをお願いするのは忘れませんよ
しっかりお願いしておきました。
あなたの願いは、叶いましたか?





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