広がって消えていくの























白い息
























凍て付いた寒さの中




手合い帰りにあかりと会った



















「一緒に帰る?」

って聞いたら







「うん」



って言うから




久しぶりに一緒に帰った
























「ヒカルと並んで歩くの、久しぶりだね」
「近くに住んでるくせに会わないもんな」
「偶然は起こらないものなんだね」
「はは」












けど
たまにこうやって会えること




偶然って言うんじゃないんだろうかって


思うけど








そんな言葉で片付けたくもなくて









偶然でも必然でも
会えたことに変わりはなくて







それをたまに思う俺がいて












離れてから気付くもんなんだな



そばにいた存在に


























「最近、毎日手合いなの?」
「何で?」
「駅でよく見掛けるから…」










よく見掛ける?























「何で声かけないんだよ」
「だってお友達といるから、邪魔しちゃ悪いかなって…」











遠慮ってヤツか











こんな時

幼なじみでも
男と女だって思い知る

























「今度からちゃんと声かけろ」
「でも…」
「変な遠慮なんかするなよ」
「はーい!」












こんなに近くにいるのに




すれ違うだけの俺たち









幼なじみなんだ





それだけなんだ














だけど俺




あかりが好きだ











この気持ちに嘘はつけない



付きたくない








触れられないまま
他のヤツにとられるくらいなら








いっそのこと












抑えられない気持ちをぎりぎりに


無意識にあかりに手を伸ばしてた
























「あ!」









あかりの声に反応して






俺は伸ばしかけた手を引っ込める


届きそうで届かない
もどかしいこの手
























「こんど、いつ指導碁来てくれる?」








ああ
そうか






それなら俺は
こいつのそばにいられるんだ























「今度の手合いがない時な」
「約束ね」









そうだ



それでいい







今を壊すより
臆病だって今があればいい
























「はー・・・っ」










あかりが自分の指先に
息を吹き掛ける





寒い時に見せる
あかりのしぐさ























「寒いのか?」
「ううん、大丈夫」









そう言ったあかりの手のひらに
自分の手のひらを重ねて























「冷たいな」
「ヒカルはあったかいね」








二人の吐く息が白く
























「ほら、ヒカル見て!
息白い!」
「冬だからなー」
「もう!」








空気のように解け合って













***************************************************************************

クリスマス企画ひかり2作目ですー。
恋人未満のくせに、何気にラブいです。

男の子が無意識に女の子に手を伸ばす。
自覚なさそうでちゃっかり行動に移したりする、そんならぶ(は)
すっごく好きなシチュエーションなのです!
ちょっとしたしぐさに、気づいたら手を伸ばしていて。
そんな自分にちょっと戸惑って。ふふふvv(危)
進藤さん。ちゃんとあかりちゃんへのキモチは確信してますが。
そしてちゃんと手をつないでるあたり。もう一歩ですね(何)







2004末
音羽桜姫


お題提供サイトさま⇔『インスタントカフェ』〜12の冬御題〜








SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送