何が見える?
何が聞こえる?






















空から
























「空が高くなったね」
「冬だもんなー」







いつの間にか
季節は冬を迎えようとしてて






俺とあかりは

付き合ってから二年目の冬を迎えようとしてた











冬なんて毎年来て
当たり前のように過ごすのに






最近は何となく


こんなふうに過ごせたらいいなって

思うようになった

























そういやあいつと


佐為と出会ったのも
ちょうど今の季節なんだよな






佐為と過ごすことができたのは

たったの二年





あかりと過ごしてきた冬に比べれば
比べるのも無理なくらい






短い時間だった













だけど俺はまだ知らなくて






佐為と
ずっと一緒にいられると思ってて







それがなくなるなんて考えてもなくて







失うのがこんなにも辛いことなんだって



その時に初めて知ったんだ


















今はこうして笑えるようになったけど



思えば結構
あかりにも心配かけたんだよな























ふと


てのひらに温かさと
柔らかい力を感じて





気がつけば
あかりの手が包みこむように触れてた
























「ヒカル今、佐為さんのこと考えてたでしょ?」
「え…」
「ヒカルのこと見てたら、すぐわかったよ」







隠してても

あかりにはすぐばれるらしい
























「ごめん」
「どうして謝るの?」
「だって普通、彼女とかといる時に他の人のこと考えるの
失礼なんだろ?」
「ヒカル…」









奈瀬が言ってたような気がする
























「ふふっ」
「笑うとこかよ!」
「ごめん…ふふふっ」








謝りながら笑ってるし

























「確かに…そうやって感じる人もいるかも知れないけど
あたしは大丈夫だよ?」
「何で?」
「だってあたし、ヒカルの中の佐為さんには勝てないけど
ヒカルはちゃんと、あたしのこと忘れないでいてくれるでしょ?」
「あかり」
「それに佐為さんがヒカルにとって、どれだけ大切な人だったのか
少しはわかってるつもり」










そんなふうに言ってもらえる俺は
幸せ者なのかな
























「あたしは…ヒカルが笑っててくれたらそれでいい」
「さんきゅ」










俺だって
あかりがいてくれれば




それだけでいい
























「俺、あかりが一番大事だぜ?」
「それは光栄ですー」
「ほんとだって」










不器用だから

伝えるのもヘタだけど
























「あ…雪だー…」
「どうりで寒いと思った」
「ヒカル!おうちまで競争!」
「あ!おいっ!」









駆け出したあかりの後を追う











なぁ

雪と一緒に
佐為の声が聞こえたって言ったら


おかしいかな





空からの贈り物









溶けていく雪と


懐かしいあの声








積もるかな





そしたら一緒に
足跡残そう












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クリスマス企画。ひかり第5弾。再び同棲ひかり。
佐為のことを話した設定で。

空から降ってきたのは、雪と佐為の声。
冬の空って、なんかどんよりしてますが、晴れた日は澄んでいてきれいですよね。
空もなんだって、大切な人と見る景色は、きれいに見えるものです。

佐為からクリスマスの贈り物。
進藤さんに届いたメッセージは『幸せですか?』





2004末
音羽桜姫。









お題提供サイトさま⇔『インスタントカフェ』〜12の冬御題〜







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