突然の声に


















閉めて！


















肌寒い冬の朝



隣がひんやり感じるのは
たぶん、あかりがいないから



昨日は別々に寝た




一緒に寝ようって言ったら





「今日はどうしてもダメ」

って言われた


あきらめた





いないからって寝れないガキじゃない


我慢くらいできるさ







にしても


いつもなら起こしに来る時間なのに

今日は来ない







そう言えばあかり
昨日から何かヘンだった





ちっとも顔を合わせようとしないで

下ばっか向いてた気がするな




何があったんだ？




俺の顔見たくないとか
そういうことではないと思うんだけど


それ以外はいつもどおりだったし




















「起きるか」







いつまでもうだうだ考えてたって仕方ないし





一人ごとを言いながらリビングに行くと
そこにあかりの姿はなかった


















「あれぇ？」





いつもなら絶対にいるのに



っていうか
あかりが俺より遅いなんて

今までになかったことだ



寝坊か？





とも思ったけど
テーブルの上には、ちゃんと朝ご飯が用意してある






なんだ？

俺、避けられてるのか？




それとも
気分でも悪いとか…



















「わかんねぇ」





考えたってわかんないから


俺はあかりの部屋に向かう




















「あかり？」





呼び掛けながら扉をノックする



















「気分でも悪いのか？」
「…違う」
「じゃあ俺、何かした？」
「何もしてない…」
「何で顔見せないんだよ」
「…」






あかりは急に黙った



















「開けてくんないの？」
「ダメなの…」
「ふーん…」
「ヒカル？」






何も聞かないで納得なんかできない





俺は思いっきり、隔てていた扉を開けた






















「…やっと顔見れた」
「…」
「説明してもらいましょうか？」
「…ヒカルのばかーっ！閉めて！」
「はいはい」






俺は部屋に入ってから扉を閉めた





















「何で開けるのよー…しかも入ってきた…」
「あかりに会いたかったんだよ」
「…もぅ…」






それは怒ってるのか？




















「で？何で避けた？」
「別に避けたわけじゃ…」
「じゃあ何で、俺と顔合わさないんだ？」
「…」






あかりは涙目になって俺を見た


さほど、何かが変わったようには感じないのに




















「…まゆげ」
「は？」
「まゆげ…切りすぎちゃったの…」
「はぁ…」
「あんまりひどいから、ヒカルに見られたくなくて…」






ひょっとして


ひょっとしなくても
それが理由なのか？




















「…何気にしてんだか」
「だって…」




まゆげが変だろうが何だろうが















「俺、あかりなら気にしないけど？」




あかりはあかりだ


飾らないあかりでも
好きだって言える
















「だからさ、朝は一緒にメシ食って
今日は一緒に寝よう？」
「…うん」






どんなだって、あかりはあかり

好きなのは変わりないから


だから

誰よりも近くにいてほしい







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１２の冬お題・９『閉めて！』です。冬とかまったく関係ナイですね、はい（滝汗；）

本当は、お着替え中に進藤さんが乱入しちゃって
寒いので「閉めて！」って言わせるつもりだったのですが･･･どこで間違えたんでしょうね（にこｖ）
でもやっぱりらぶらぶだったり。もうバカップルな二人が大好きですｖ同棲ひかりｖ
ちなみに、進藤さんはドアを壊したわけではありません。
あかりちゃんは鍵をかけてないので（鍵付のお部屋ではないため）
わざと思い切り開けたのでです。こっそり開けることもできたのですよ。
１日でもあかりちゃんの顔を見ないと、禁断症状を起こすので（笑）
危ないときは、あかりちゃんを近づけてはいけません（危）
どうでもいい話になってるし。姫さん、危険人物注意報。






音羽桜姫。







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