気づいたら





突然のこと



何が変わって、何が変わってないかなんて
そんな違い、わからない





「あかりって、進藤くんのこと好きだよね?」
「…え?」


いきなり聞かれた問いかけに
あたしも思わず聞き返す








「見てればわかるよ」
「何が?」
「あかりの好きな人」


好きな人って…








「別にそんなのいないよー」
「進藤くんでしょ?」


好きだよね、女の子って

そういう恋のウワサ









「ヒカルとはそんなんじゃないよ」
「えー?」
「だってヒカルは、幼なじみだもん」
「それだけ?」


それだけって…

他に何があるの?









「どういうこと?」
「あかりと進藤くんが幼なじみなんてこと、ほとんどの人が知ってるよ」
「じゃあどうして聞くの?」
「あかりがの進藤くんへの気持ちは、幼なじみってだけ?」
「え?」
「他には何とも思ってないの?」


聞かれた瞬間
少しだけ心臓が音を立てた










「あかりは進藤くんのこと、幼なじみとしか思ってないの?」
「う、うん…多分…」


わからないけど

ヒカルに対してはきっと
それしか考えられない

だって、当たり前のようにそばにいて
一緒にいたんだから











「あかりは鈍いからなあ…」
「どういう意味?」
「まだ気持ちに気づいてないだけなんじゃないかなー、って」


あたしがヒカルを?









「でも気づくのも、時間の問題かな」


好きとか、そんなんじゃないよ

だってヒカルは


言われた言葉が引っ掛かる

好きじゃないって

違うって気持ちを、自分に言い聞かせてるような気がするのも
ウソじゃないような気がするんだ

だけど気づいたからって
やっぱりあたしとヒカルは幼なじみなんじゃないかって思う









「じゃあね」
「うん、また明日ね」


帰ろうって

下駄箱で見つけたヒカルの姿


心臓が踊り出す

あんなこと聞かれたばっかりだからかな


それとも何か、あたしの気づいてないものが
ヒカルに対して知らないところで反応してるの?










「ヒカル」
「おー。あかり」


呼ばれた名前

少し低くなった声に
顔が熱くなった









「今から帰るのか?」
「うん。ヒカルは学校に来てたんだね」
「今日、手合い日じゃないからさ」
「そうなんだ」


あたし、おかしい

今まで何気なく話してたヒカルとの会話が
遠く聞こえる









「ついでだし、一緒に帰る?」
「あ、うん」


そういうことが素直に嬉しいって感じるのは
あたしがヒカルを好きだから?


わからないの、まだ

好きだよ、ヒカルのこと

ずっと好きだったよ

好きの意味が違っても、それは好きってことになるのかな?









「ヒカル。夕焼けキレイ」
「ほんとだ」


ヒカルと目が合って

止まらない心臓の音

思いもよらない
突然おきたあたしのココロの中の気持ち


かっこよくなったヒカル

好きにならない方がおかしいよ



そっか、あたし
もうずっと前からヒカルのこと
特別だったんだ


きっかけは突然のこと

始まりが何で、どんな気持ちだったかなんてわからないけど

いつか言えるかな

好きですって


きっと、もっと
いろんな気持ちを知っていく





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進藤さんお誕生日企画作品9作目・『突然のこと』でした。
ちょっとむくわれたかな、な進藤さん(笑)
続きは前回までで、今回はちょっと振り返る形のものにしてみました。
あかりちゃんが進藤さんを好きだと思った瞬間。

原作ひかりのバイブルがモデルです。ちょっと変えてみた感じになってしまいました。
好きになるのって、本当に突然のことだと思うんです。
何でもなかったことが、どうにもできなくなる。
いつもは気づかなかった違いに気づいたとき、突然「好きだな」って思う。
見慣れてる人が、突然カッコイイとか可愛いって思ってしまうこと。
『好き』と『とまどい』は、一緒に覚えるものだと思います(は)
好きなのかなって、勘違いな気持ちもあるかもしれないけれど、やっぱり好きだと思う気持ちとは違うと思います。
『気になる』それだって充分な好きですよねv



音羽桜姫。



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