あるはずないなんて





気持ちの変化





今までと気持ちが変わらないままでいられるなんて
そんなのウソだと思った








「ヒカル、見て。夕焼け」
「ほんとだ」
「キレイだね」
「ああ」


久々に行った学校で
帰り際、ちょうどあかりに会った
先に声をかけてきたのはあかり


顔を合わせるたびに、変わってるような気がする


真っ赤な夕陽を見つめるあかりに
何となく目がそらせなかった

あかりを、夕陽の紅さが彩って

正直
あかりって、こんなにキレイだったかと思った











「今日、手合いないんだよね?」
「へっ?あ、うん…」


突然話しかけられて
だけど、気をとられていたなんて気づかれたくなくて

平静を装う











「…頑張ってる?」
「うん」
「プロって、大変?」
「そりゃあ…実力の世界だからな」
「そうだよね」


優しくて大切な場所だった囲碁部をやめて

抱いてた夢を捨てて

俺は、みんなと違う夢を見た


振り返れないから、走り続けてきた


追い掛けた憧れ

追いついた背中


まだまだ遠いけど
俺はいつでも手を延ばす










「打たなくなったって聞いて、心配してたんだけど・・・良かった」
「何が?」
「元気ないみたいだったから…」


佐為が消えたあと
失いかけた夢

その続きを見せてくれたのは
やっぱり佐為だった


打ってもいいよって、押してくれた背中

俺はまた歩き出した

あかりが気にしてくれてたなんて
俺は本当に、回りが見えていなかったんだ










「打ってもいいんだって、わかったから」


二人で抱いた夢を、今度こそ叶えるために

そばにいなくたって、俺たちの夢はいつも一緒だ











「じゃあ、また指導碁打ってくれる?」
「ああ」
「ヒカルが元気で良かった」


ふわりと笑ったあかりに、心臓が踊り出した

こいつ
こんな風に笑ったっけ?











「幼なじみって、何だか特別な気分だね」
「何で?」
「だって、プロの人に教えてもらえるんだもん」


幼なじみっていう言葉が、痛く突き刺さった

そんな曖昧な細い絆

いつ壊れたって、おかしくない


それでもいいって、言ってくれるなら
俺はこの距離を守るよ











「あたし、ヒカルと幼なじみで良かった」


変わる気持ちの中で、守りたいもの

気づいた気持ちの変化











「俺は、何も得することないや」
「ひどーい!」


目の前のあかりに対する気持ちは
幼なじみ?

それとも






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進藤さんお誕生日おめでとう企画作品10作目・『気持ちの変化』でした。
前作の続きです。帰るまでがあかりちゃん語りで、帰り道が進藤さん語り。
気持ちに気づいた瞬間です。

二人がお互いを好きだと思ったのは、同じくらいの時期だと思います。
原作のひかりバイブルである、夕陽の帰り道。あかりちゃんはあの時に好きを自覚して
進藤さんもきっと、それくらに自覚してたと思い・・・たいのです(笑)
だって変わったと思ったのが、あの時だったから。
変わったって感じたら、今までと違う感情が目覚めてもいいと思うですよ!(は)
原作よりちょっと早めに、自覚第一段階ということで(笑)
そして極め付けが、あの帰り道ということで。
まだ、ちょっとなので、これからです。これから目覚めていくのです。
でも小学校の頃から、結構二人はらぶらぶだったよなー。と思ってみたり見なかったり(ぇ)
幼なじみと好きの違いは、難しいです(><)



音羽桜姫。




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