舞い落ちる花びらが
















桜の中で















見つけた君の姿










「ヒカル!?」





その姿を見つけても、うまく声をかけることが出来ずに
立ち尽くしてた

















「おー」
「久しぶりだねー。元気そう」
「お前もな」






満開の桜

薄紅色の儚い花は
音もなく散りはじめてた


その中で見つけた、一つの影






久しぶりに見た幼なじみは
あの頃の面影を残しながら、どこか違っていて
その違いに戸惑った




俺も変わった

あかりも変わることなんて

わかっていたはずなのに



















「それ、制服?」
「うん!何か、恥ずかしいな…」






照れるしぐさのあかり

変わってないかも



そう思った



















「似合う?」
「どうかなー」
「どっちー?」
「似合うんじゃん?」
「ほんと?えへへー」








言ってやると、少し顔を赤く染めて
柔らかく笑った




















「お前、変わんないな」
「え?何?」
「何でもね」







俺が歩き出すと、あかりはゆっくりと後をついてきた



俺たちの決まった距離

近くて遠い



俺の後ろ姿を、あかりはどう見ているんだろう


















「大きくなったね」
「何だって?」
「ううん、何でもない」








振り替えればあかりがいる



それは安心感に似た安らぎ


俺たちは何も変わっちゃいない


距離も関係も

その気持ちも



















「ヒカル、何であそこにいたの?」









あかりが静かに聞いた



少し、落ち着いた声



















「何となく。」
「理由、ないの?」
「ない…かな」







理由なんてない


ただ何となく
ここに来たくなった

ここでなら会える気がした

会いたい気持ちに、理由なんていらない


付けられない



















「何となく、桜が見たくなったんだ」
「そうなの?」
「お前は?」
「あたし?あたしは…
うん、桜が見たくなったの」
「そっか」
「うん…」







前と同じように出来ないのは
お互い気のせいなんだろうか



















「綺麗だな、桜」
「うん、綺麗だね」







あの頃の一緒に見ていた桜は
もうどこにもないけれど


















「ここね、学校の帰り道じゃないの」
「うん」






知ってる




















「いつもはね、もっと早く帰るの」
「うん」
「この道ね、たまに通りたくなるの」
「うん」






わずかな可能性を求めてる


















「会えるなんて思わなかった」
「俺も」







顔を見合わせて

笑った



















「寄り道でもするか?」
「うん!」







少しだけ縮まった影の距離



同じ花は咲かない

隣で見ることなんて、ないと思ってた


桜の中で消えない想い出




見つけた姿を刻もうと思った







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企画作品第6弾は、シリアスなのかほのぼのなのか・・・目指しても玉砕したひかりでお届けしました(笑)
うーん。ほのぼのっぽくなってますか・・・?桜の中で手を繋いだりとか出来るともっとよかったんですが・・・・
まだ恋人未満なので、触れられなかったみたいです(><)
これは、桜ネタで描きたかったものの1つだったりします。桜ネタ。ちょっと季節外れではありますが・・・(だらだら;)

あかりちゃんが会えると思って、この桜の場所に来たのと同じに、進藤さんも、会えるような気がしたんです。
お互い通り道じゃない場所で出逢う。それを運命だと思いたい・・・みたいな感じで。やっぱり少女漫画ですか!(笑)

寄り道、どこに遊びに行ったんでしょうね。皆様の中で、どこかへ連れて行ってあげてくださいvv





お題提供サイト⇔WJモノかきさんへのお題






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