いつまでも















子どもじゃない



















「今日はヒカルの好きなもの作るね」
「マジで?」
「うん!だから、早く帰ってきてね」
「飛んで帰って来るよ。じゃ行ってくる」
「行ってらっしゃい!気をつけてね」
「おー!」








毎朝の出来事
あかりに見送られながらでかけるのは、付き合ってる時からの変わりないことで


だけどそんな些細な事に
俺たちはお互いに幸せを感じてた

















「進藤、今日どうする?」
「悪い。あかりが飯作ってるから」







朝、約束した
俺が好きなもの作って待ってるって

あかりの作るハンバーグは、ほんとにうまい




















「らぶらぶ新婚生活を満喫中ですってか」
「う、うるさいなー!」
「はい、あーん。とか、やったりするわけ?」
「やんないよ!」









たまにはしたりするけど




















「幸せ真っ最中ですね、進藤くん?」
「うらやましいか、コノヤロー」






そうさ

幸せさ



大切だと思う人がそばにいて
待っててくれるんだ



















「早く帰んないと、あかりすねるからさ」
「あー、ハイソウデスカー」
「何その言い方」
「別にー」
「いいけどさ。そんなわけだから、また今度誘ってよ」
「お前なんか、誘ってやんねー」







最初に誘ったのはお前だろ


俺、今回は別にのろけてない



















「じゃあ、またなー」
「あかりちゃんによろしくー」
「ちゃん付け禁止!」
「…早く行けよ」








ちゃん付けすんなって言ってもするんだよな

でも呼び捨てなんてもっとダメだし


奥さん…とかも、何か照れるんだよ
良い呼び方って、ないものなのかな




















「いけね!電車!」








乗り遅れないように、駅に急いだ


体力には自信ある



いつもより一本早い電車に乗って
俺はうちに向かった




















「ただいまー」
「お帰りなさーい!」







パタパタと音を立てながら、あかりが迎えにきた



新婚って感じ、する



















「お疲れさま。ご飯できてるよ。どうする?」
「飯、先に食べる」
「じゃあ、ちょっと待っててね」





俺はリビングに
あかりはキッチンに



しばらくテレビ見ながら待ってたら

あかりが夕食を運んで来た



















「お待たせー」
「待ってました!腹ペコ」
「じゃあ、早く食べようか」





食事を並べている間に、俺はお茶をいれる


















「あたしがやるよ!」
「いいからいいから」







これくらいさせてほしい


















「ごめんね、ありがと」
「いいって!ほら、食べようぜ」
「そうだね」







向かい合って座る



やっぱり食事は、二人そろってがいい




















「いただきます!」
「いただきまーす」






まっさきにハンバーグに手をのばす



















「うまい」
「ほんと?よかったー」
「焼き具合いもいい」
「ありがと。でも褒めすぎじゃない?」






照れたように笑った




あかりの作る料理が好きだ

それを伝えたかった



















「今日の手合い、どうだったの?」
「勝ったよ」
「最近連勝だよね」
「実力実力」
「ヒカルってやっぱりすごいよ!」






あかりは楽しそうに笑いながら、俺を褒める

勝った時は、同じように喜んで
負けた時は、何も言わずそばにいてくれる


だから、頑張れる




ふと、あかりが俺をじっと見ていて
それが気になって


















「何?」






聞いてみたら、あかりはくすくす笑って


その手が俺にのびてきた




















「?」
「ついてるよ」





一瞬、口許に触れた
あかりの柔らかい指の感触


















「ついてた?」
「うん、しっかり」





あかりのくすくす笑いは止まらない



















「いつまで笑ってんの?」
「ごめん。だって何か可愛くて」
「可愛くない!」
「子どもみたいなんだもん」
「は?」
「どんなに碁が強くても、ヒカルはまた子どもだね」
「同い年だろ」







馬鹿にされてるのかけなされてるのか

ホメコトバなのか


どっちにしろ、あかりにからかわれるのは面白くない




















「子どもじゃないし」
「子どもみたいだよ」
「どこが?」
「甘えんぼだし」
「それはお前だろ?」
「え?」





人のこと言えないだろ

甘えんぼなのは




















「そんなこと言うなら、あとで覚えてろよ」
「もう忘れちゃうもーん」
「おい…」






子どもじゃない


大切なものを守れるほどには、強くなってるはずだ




どうやってわからせようかな


とりあえずはお楽しみ








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企画作品第9段は、新婚さんいらっしゃいなひかりでお届けいたしました(笑)『子供じゃない』です。
何か・・・またも最初に描こうと思っていたものとかけはなれたような・・・(だらだら;)
終わってみたら、バカップルもいいところ。らぶらぶ新婚さんになってました(えー)
ひかりはもう、天然でもらぶらぶなので、描いてて非常に楽しかったですが、うふふvv(危)

イチゴでちゅうだったので(は)今度はあかりちゃんに反撃させてみました。
続きを狙ったわけではないです、続きでもないですが。進藤さんはいつまでも子供のままです(笑)




お題提供サイト⇔WJモノかきさんへのお題






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