絡まる視線と温かな熱

















ぬくもり



















「なぁ、頼むからそろそろ口聞いてくんない?」







ヒカルが話しかけてくれるけど
あたしはわざと、そっぽを向いた



反省してくれてるってわかってる

だけどもう少し、あたしのことだけ考えてほしかった


ヒカルには悪いけど、たまにはワガママにだってなってみたい





ヤキモチだって焼く
ヒカルのこと大好きだから
物わかりのいい彼女になんてなれない



















「あかりー?」
「…」






猫撫で声で甘えてくるけど
あたしは頑張ってそれをはねのけた




しばらく機嫌を取るように、あたしをのぞいたり、目の前で手を振ったりしてたけど
あたしが何の反応もしないことがわかると
ヒカルはすねたように、あたしに背を向けた




それを確認したあたしは、今度は反対に
ヒカルの方を向いた


見えるのは、何となく寂しそうな背中




そう


そんなにあたしは、ヒカルに思われてるって
うぬぼれてもいい?



けど、名前なんか呼んであげない


まだ


許してあげない





もうちょっと
あと少しでいいから

あたしのことで困ってみせて





















「キライ」








そう言いながら、あたしはヒカルの背中に身体をよせる


あったかい

じんわりと、ヒカルの熱が伝わってきた


今、そばにいるから伝わる熱のぬくもり



お互いの熱が重なり合う






















「あか…」
「そのまま!」







名前を呼んで振り向こうとしたヒカルを
言葉を遮って止める




















「キライなんだから…」






ほんとは大好き


けど素直になりたくないの



















「どうしたら許してくれる?」






ヒカルには回した手が、不意に温かさに包まれて
少し強い力を感じた





あたしの熱を感じて


ヒカルのぬくもりを感じてるから




手のひらだけじゃたりないの

全身であなたを感じたい




















「ぎゅって…してくれる?」
「え…」
「ぎゅってして、頭撫でて」
「あかり…」






そしてもっと
その唇で、あたしの名前を紡いで





















「あかり…」







名前を呼ばれながら、身体中広がるヒカルの熱




ああ
あたしはこれで、許してしまうのね


ぬくもりがこんなに愛しいの


ヒカルの熱が、あたしを支配する





















「ほんとにごめんな」
「…うん」
「許してくれる?」
「…うん…」







視線を合わせて
唇に熱を灯もした





重なる視線に絡み合うぬくもり



たまのわがまま



あなたの熱はあたしのもの









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企画作品第12弾は、仲直りな恋人ひかりでお届けいたしました。毎度のことながら、バカップル(笑)
あかりちゃんの「ぎゅってして?」って言うのが描きたかっただけなんです。
それをぬくもりに変えるのは、ちょっと戸惑いました(><)「ぎゅってして?」は、別のネタで使おうと思ってたんですが・・・
こっちに使っちゃいました(><)でもまた使いたい言葉ではあるので、どこかでひょこりと現れるかもしれません(笑)
あかりちゃんの可愛さが伝われば・・・いいなぁ。喧嘩の原因は一体なんでしょう。
姫が気づいた時には、すでにケンカしちゃってました(><)仲直りは絶対にするんです。キライにはなれないからv
それをいつ許すのか、どうしたら許してもらえるのか、必死になる進藤さんが、ヘタレっぽくて大好きですっv(笑)




お題提供サイト⇔WJモノかきさんへのお題








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