誰よりも

















大好きだよ
















「また遅刻かな・・・」






待ち合わせ



いつもは一人で帰るけど
今日はヒカルとお約束



昨日の夜に、ヒカルから電話をもらった





明日は早く終わりそうだから、一緒に帰ろうって
めずらしいお誘い


嬉しくてあたしは、すぐに返事をした






帰り道


電車は一緒




駅で待ち合わせ決めたのに、ヒカルは来ない

ヒカルの遅刻なんて、いつものことだけど



携帯を鳴らすのもいやらしいから、何となく遠慮してたけど



約束の時間は30分も過ぎてて

さすがに心配になった







あたしはカバンから携帯を取り出して

ヒカルの電話をコールする





四回



五回



六回






何度コールしても、出る気配はなくて



















「おかしいなぁ…」




連絡も取れないなんて…

これじゃきりがないよね





ヒカルには止められてるけど



















「迎えに行こうかな…」





あたしは棋院に足を向けた







駅から棋院まで、そんなに距離はない


慣れた道を歩いて、棋院にたどりついた



















「いいよね…」






何故かヒカルは、あたしが棋院に来るのをすごく嫌がる


理由を聞いても、ダメって言うだけで

せっかく一緒に帰れるのに、ヒカルの機嫌を悪くしたくない




















「どうしよう…」





しばらく棋院の前でうろうろしてたら
聞いたことのある声に、名前を呼ばれた



















「あかりちゃん?」




この声は


















「和谷さん!」





と、えと

伊角さん?



















「こっこんにちはっ!」
「こんにちは。どうしたの?こんなところで」
「え、えと」
「あ、進藤とデートの約束?」
「えぇ!?そんな…あの…」






わーん


まさか、そんなこと聞かれるなんて思わなかった




















「進藤なら、もうすぐ来ると思うよ」
「…はい…」






優しい


困ってたら、伊角さんが教えてくれた




大人っぽくて、余裕がありそうで

いいな




















「今日あいつ、相手が悪いよ」
「え?」





どういうこと?



















「強い人なんですか?」
「その逆」
「はぁ…」
「検討が長い人でさ。今つかまってるよ」
「そうなんですか…」






だから携帯にも出なかったんだ



まだ手合い中なら、当然だよね



















「中で待ってたらいいのに…」
「あ、いえ。その…」





言おうとした時
急に腕を掴まれて

身体が勝手に動く



















「え…え?」






顔を上げて見えたのは、綺麗な金髪


ヒカルだ





















「お疲れー!気をつけてねー」






後ろから声が聞こえて、取りあえず会釈を返すのが精一杯だった













ヒカルの歩調は早い



ヒカルは何も言わない

怒っちゃったのかな





それでも、何も言わずに

何も聞かずに付いて行ったら


歩調は少しずつゆっくりになって

ヒカルは口を聞いてくれた




















「何であそこにいたんだ?」
「ヒカルが遅いから、心配になっちゃって…」
「来るなって言ったのに」
「ごめんね」





あたし、やっぱり怒らせちゃったんだ


許してくれなくてもいい


これけだは聞かせて欲しい答えがあるの




















「何であたし、棋院に行っちゃいけないの?」
「危ないから」
「危なくないよ?今日だって和谷さん…」
「それが嫌なんだよ」
「え?」





嫌?


和谷さんが?




あたしと和谷さんが、一緒にいるのが…?



















「ヒカル…」
「…何…」





あたしはやっぱり幸せだね


そんなにヒカルに思ってもらえて




















「ちゃんと連絡するまで待ってて」
「うん、わかった」
「なるべく来ないで」
「うん。行かないようにするね」
「来るなとは言わないからさ」
「うん、わかった」





ヒカルが言うならそうしよう



だけど困らせるのは嫌だよ

だから、行かないことにするね



ヒカルがいいって言ってくれるまで



















「ねぇ、ヒカル」
「何?」
「あのね、大好き」
「…知ってる」





しっかりばれてる、あたしの気持ち


何度だって伝えたい



大好きだよ








**********************************************************************************************************

企画作品第18弾は、『大好きだよ』高校生恋人ひかりでお届けいたしました。
やっぱりほのぼのらぶは、可愛くて好きです。ヤキモチ進藤さんが好きだからです。
ヤキモチの時点で、ほのぼのではないですが(笑)

最後のあかりちゃんが描きたくてですね・・・
頑張って可愛くを目指してみたつもりですが・・・いかがでしょう?(あせ;)
「知ってる」とか、言ってしまう進藤さんが、何だか憎らしいです。
イイコが幼なじみでよかったね、進藤さん。あかりちゃんじゃなかったら、絶対見放されてるよ(笑)
愛されてる新藤さんがうらやましく。それでも大好きと言ったら伝わるひかりが大好きですv





音羽桜姫。





お題提供サイト⇔WJモノかきさんへのお題



SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送