当たり前だった
一緒にいることが
Dream×Dream
15年前
「ヒカル、おままごとして遊ぼ」
「おう！」
「あたし、お母さんがいい」
「んじゃ俺、お父さんな！」
「このくまさん、子供ねー」
ヒカルとあかり
同じ幼稚園に通う幼なじみ
家が近いということもあり
特別仲が良く、いつも一緒に遊んでいた
今日も、お迎えが来るまで
仲良く二人でおままごと
あかりは赤いシートの上にお皿と、おもちゃの野菜などを盛り付け始める
「赤ちゃん。今日はパパ遅いでしゅねー」
準備が終わると
隣りに座らせているクマのぬいぐるみ
もとい
今の設定では
自分の子供に話しかける
「ただいまー」
お父さん役のヒカルが
玄関をあけるマネをしながら帰ってきた
「おかえりなさーい」
あかりはパタパタと迎えに行って
「疲れたでしょ？
ご飯できてますよ」「さんきゅ」
二人、シートに座って
あかりがお皿に盛り付けたものに
手をつける
「いただきます」
「うまい」
「ほんと？よかった！」
「明日はハンバーグが食べたいな」
「明日のお夕飯は決まりね」
「えへへ」
と笑う
全部
自分たちの親をマネして
笑い合うのは、お互い楽しんでいるから
「お風呂入ってるからどうぞー」
「おう」
ヒカルが立ち上がったすぐに
先生が呼びにきた
「ヒカルくん！あかりちゃん！
お迎えきたわよ」
「はーい！」
二人の息がぴったり会う
「ヒカルー」
「あかりー」
聞き慣れた、大好きな母の声に
嬉しそうに駆け寄る
「おとなしくしてた？」
「うん！」
「何して遊んでたの？」
「おままごとしてたの！ヒカルがパパで、あかりがママなの」
楽しそうに話す二人を見て
「ヒカルくんと、あかりちゃん。本当に仲良しさんなんですねー」
先生の言葉に、母親同士は苦笑して
「ほんとに。」
「最近はあたしたちがいなくても、二人だけで留守番したりするんですよ」
「帰ってからはすぐに二人で遊びに行くし」
「あかりちゃんにヒカルを取られてしまったようで…」
「うちもですよ」
「ちょっと寂しいんですけどね」
そんな話をしている間も
二人は遊具で遊んでいた
「ヒカルー！帰るわよー！」
「あかりもほら！」
母親に呼ばれ
二人は走って向かってくる
「二人とも、仲良しさんね」
先生の言葉に二人は顔を合わせて
「だって俺。あかりのこと大好きだもん」
「だってあたし、ヒカルのこと大好きだもん」
答える声は重なる
先生も母親同士も苦笑して
それから時が流れて
二人は今も一緒にいる
電話が鳴り、あかりは慌てて飛びついた
『あかり？俺』
「うん」
『今、着いたから』
「わかった、迎えにいくね」
『家で待ってろよ』
「いいの！早くヒカルに会いたいの！」
『またそういう・・・』
「とにかく、行くから待っててね」
そう言い切って、あかりは電話を切った
そう二人は夫婦に
幼い時の気持ちとは少し違うけど
それでも二人は今も一緒にいる
ヒカルは仕事の関係で３日間、出張に出ていた
今日帰ってくる
「ひかり、パパを迎えに行こう」
小さな女の子を抱えて、家を出る
あかりは嬉しさを隠し切れずに、つい笑いがこみ上げて
キミと一緒にいられる喜びを
幸せって呼べたらいいな
あの頃
ただ一緒にいるだけで
何か楽しくて
何か嬉しくて
それが何かもわからずに
時を重ねて
一緒にいることが
ただ楽しいだけじゃないと
嬉しいだけじゃないということを知った
それでも一緒にいたくて
貫いて
今がある
「あかり！」
「ヒカル！お帰り」
「ただいま」
理想の恋人を求めたり
いろいろ考えたり、期待したり
実際の理想とは離れてしまっても
今があるから
一緒にいられるから
今が幸せだと思えるから
これからもずっと一緒に
時を重ねて、想いを重ねて
当たり前だったあの頃には戻れないけど
それ以上に大切な時間が、これからも待っているから
もしあの頃の自分にメッセージを送れるなら伝えたい
『幸せです』
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藤原直己さまに捧げますー。お誕生日おめでとうございますｖｖ
図々しくも押し付けました（滝汗）
直さんがちびひかり好きだとのことなので、ちびひかりにしてみました。
ちびひかり→新婚ひかり。流れています。
小さい頃、おままごとしてよく遊びました。
男の子相手でも遊んでた記憶があります。
女の子って何故か、お母さん役やりたがるんですよねー。
でも姫は、これもまた何故か。一番下の子供役が多かったです（笑）
