時刻は、8時を指そうとしている

夕飯も終え、本来ならば、自室でゆっくりと自分の時間を過ごすのが
主なこの時間帯の過ごし方…もとい、使い方のはずなのだが。

この部屋の主。
ルルーシュにはどうやら、そんな当たり前の時間は迎えられなさそうで…

パソコンを前に、学生の本分とは関係のない仕事をこなし
この状況に反論すべく、ベッドへと目を向けた。















「…」
「何だ」






悠々と長い髪を広げながら、ルルーシュのベッドを占領している
『共犯者』と呼ばれる彼女、C.C.は

向けられた視線の意味など関係ない、とでも言うように、さらりと答えを返してくる。

横柄な態度にも、もう慣れた。


『ここは俺のベッドだ。』


そう言うのも、疲れてしまった。


言ったところで彼女からは、
『問題ない』
だの
『細かいことは気にするな』
など。

まったく悪びれる様子もない答えが返ってくるのは目に見えている。

















「なんでもない」
「言いたいことがあるならば、言った方がお前のためだぞ」
「言ったところで何も変わらないのはわかっている。疲れることはしたくないだけだ」
「そうか。それならいい」
(何がいいんだ!?)



と、こぶしを握り締め、心の中で突っ込む。



何故自分が、こんなにも割り切れないものを
プライベートとも呼べる部屋で、抱えなくてはならないのだろう。
















「世の中というものは理不尽だと思わないか」
「それが世の中だからな」
「…」
「何だ」
「何でもないと言っただろう」







自分のことを言われても、さほど気にする様子もない。

ここまでだと、いっそ清清しいとも思えてくる。



それがC.C.という女だと、理解するしかないのだ。




















「俺の平穏を返せ」









ポツリと呟くように、いやみとも取れる言葉を吐き出すと
C.C.はこちらに目を向けて、見つめあう形が出来上がる。


















「ただ平穏な日々など、つまらないだけだぞ」
「お前が言うとなんだかな」
「おかしいか?」
「おかしいというか。やりきれなくなるだけだ」
「そうか」









起き上がっていたC.C.は、ルルーシュの結論を聞くと、もう一度ベッドへと身を沈める。

長く細い髪を流して。



















「お前のベッドは気持ちがいいな」







うっとりとした口調で、枕へと顔を埋める。


そのしぐさがどうにも恥ずかしくなって、ルルーシュはナチュラルに顔を朱色に染めてしまう。



















「そういうことをするのはやめてくれ」
「…若いな」
「うるさい」








C.C.は、ルルーシュをからかっている。

それはルルーシュ自身も自覚している。




けれど振り回されてしまうのは、惚れた弱みとでも言えば満足だろうか。




















「眠い」







突然彼女の発した言葉。



















「もう寝るのか」
「寝不足は肌の敵だ」
「お前でもそういうことを気にするんだな」
「お前はまったく持って失礼なやつだな、ルルーシュ」
「女だと俺に理解させたいのなら、もう少しそれらしい態度を取ってみたらどうだ」
「それらしい態度…か。無理だな」
「簡単にあきらめるなよ」








思わず突っ込んでしまうと、C.C.はルルーシュに、意味ありげな微笑を見せる。




















「今度は何だ」
「いや。わたしに女らしさを求めるとは…お前も変わったやつだ」
「それは最高の褒め言葉だな」
「しかし、困るのはお前じゃないのか」
「俺が何を困るって?」
「自覚なしか。それはそれでいいだろう」
「一人で納得をするな!」








いつものような口げんか。

傍から見れば、ある意味じゃれあっているようにも見えなくも無い。


C.C.の言っている言葉の意味は、痛いほど理解している。

極力、意識しないようにしている、彼女が女だということを。

気付いてしまえば最後。
きっと止められないのだろう。そ


れは、彼女の思うままな気がして、面白くない。

妙なプライドが邪魔をする

役に立つ。




彼女が女だと。
意識してしまった時点で、困るのは自分だと。

気付かざるを得ない。




偉そうなくせに。

癪に障るくせに。

気にしないではいられない女。






















「わたしはもう寝る」
「ああ、さっさと寝ろ」
「お前もたまには早く寝たらどうだ?」
「生憎まだ、眠くもないし寝ようと思える時間でもない」
「それはお前が決めることだ」
「…」









二人、無言で見つめあう。





















「疲れを癒すのも、統率者として大切な仕事だと思うぞ」
「勝手な言い分だ」
「正論を述べたまで」









彼女が口の端を上げて笑う。

ルルーシュは深いため息をついて、彼女の言葉を飲み込んだ。



















「寝るのか」
「たまにはそれも悪くないと思ったわけだ」









それだけを交わし、ルルーシュはソファへと向かう。






















「待て、ルルーシュ」
「何だ」
「床で寝るのが辛いなら、半分貸してやらんこともない。」
「…それは本来なら俺のセリフなんだがな」
「細かいことを気にするな。男らしくないぞ」
「うるさい、放っておけ」








やはり、まったく気にもしていないC.C.に
ルルーシュはため息を吐いて、ベッドに歩み寄った。

広がるC.C.の髪の毛。



ルルーシュはひとふさ掬いとって、さらりと落とす。




















「何をしている」
「お前の髪はキレイだと思ってな」










触れられた髪の毛から、ジンと熱が伝わる。


くすぐったくて。この気持ち。
どう現せばいいのだろう。


















「…」
「…」








頬を染める姿に思わず、素直に頬を朱色に染めた。


滅多に見られない彼女の変わった表情に、ルルーシュもつられて思わずうろたえる。





















「すまない」









謝ると、C.C.はルルーシュの髪を撫でる。



















「お前もキレイじゃないか」








そう言われ。

ああ、二人の距離はまだ変わっていない。



ふ、と笑ったルルーシュ。それは安堵か安心か。




















「髪を撫でられると言うのは、くすぐったいな」
「ああ。だが嫌いじゃない」









微笑み合い話す二人。





















「たまになら、触らせてやらないこともない」









高飛車な言い方をするC.C.に、不適に笑うルルーシュ。
























「それは光栄です。魔女さま。」







美しい光沢にキスを。髪をとくあなたの指先は、温かくくすぐったい。










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シーちゃんはルルに髪の毛を撫でられるのが好きだといいです(はい?)
何か気持ちよくないですか。撫でるのも撫でられるのも(危)
こんな早い時間に寝るのか。という突っ込みは、スルーでお願いします(笑)

なにやら、自然にラブ度が高くなってしまうのですが…ルルシーの魔力ですか(えぇ)
えと、髪の毛を撫でられて頬を染めるシーちゃんと。やっぱりヘタレなルルが書きたかった…のです。
しかし同じお部屋で寝ていて、何も感じないルルの方が、お姉さんは心配です(誰がお姉さん)
一生懸命耐えて、我慢してるルルとか、すごい素敵だと思います。
シーちゃんはそれを知ってか知らずか。
ルルはシーちゃんに振り回されてこそ、ルルだと思いますっ!(ひどい)
たまには逆転もさせてあげねば、ですね(にこっv)
まだまだシーちゃんには、頑張ってルルで遊んでもらいたいです(鬼)

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