一切の距離もなく、あなたに近づけるのでしょうか。













「お前は何を考えているのか、さっぱりわからないな」
「お前に女心など、わかるはずがないだろう」









思わずポツリともらしてしまった言葉に、彼女の容赦ない言葉。

ルルーシュは振り返り、C.C.へと視線を送る。


















「…」
「安心しろ。わたしもお前のことなど、何もわからないさ」









ベッドの上にある雑誌をぱらぱらとめくりながら
ルルーシュに目もくれず、彼女は淡々と答える。



















「共犯者なのに?」
「ああ。だからこそ。だ」








パタンと音を立てて雑誌を閉じると、C.C.は初めてルルーシュを見た。

ベッドの上へと座り込み、そのまま真っ直ぐと、ルルーシュの瞳を見つめる。

















「だからこそわからない」







そう言った彼女に、ルルーシュは問う。





「どういう意味だ?」
と。



そうすればC.C.は、持ち前の勝気な笑みを浮かべて、ふ、と笑う。




















「それくらいは自分で考えてみせろ」







ぴしゃりと言い放ち。
甘える術を与えてくれない。




















「お前がそれ以外の答えもくれたことはあるか?」
「ないな」
「…」
「何だ」
「いいや。なんでもない」







これ以上の会話は、ムダになるだろう。

彼女に答えを求めても、明確なことははっきりとしない。


ごまかし、ごまかし。大事なところではぐらかされる。




何を信じようにも、わかろうにも。
彼女にその意思はない。


一緒にいるのだから、少しくらいはお互い、歩み寄っても良いものだと。
そう思うけれど。


彼女はそれを望んでいない。





ルルーシュはため息を吐く。

彼女ほどわかりにくく、扱いにくい存在は、後にも先にもきっとない。と






















「何を考えた?」
「何も」









ルルーシュのため息に、何を感じ取ったのか
C.C.もつられたように小さく短いため息を吐く。

それはそれであっさりと終わり
二人の間には、先ほどの会話などまったく関係ないとでもいうような
さらりとした空気が流れる。


それを打ち破ったのは、彼女の方だった





















「さっきの話だが」
「ああ。」
「お前はわたしをわからないと言った」
「言ったな」
「わたしもお前をわからないと言った」
「そうだな」
「当然だ。いくらわたしが魔女だといえども、お前が魔王になろうとも。
その全てを理解することなど、出来ないに等しい」
「…」
「わかろうとする努力は認められる。が、全てを理解しようなどと、そんな考えはエゴだ」
「…」








C.C.が淡々と語る、微妙な答えに、ルルーシュはただ黙って聞いていた。























「お前がわたしのことを知ってどうする。わたしがお前の全てを知ってどうなる。」
「…」
「何も出来ないのなら、知らない方がいい」









彼女の言い分にも一理在る。

けれど、隣にある存在だからこそ
知らないことを知りたいと思うのは、エゴに値するのだろうか。





















「わかるだろう。共犯者は一心同体だ。だかそれ以上でも以下でもない。
余計な感情は、一切の邪魔だ。」








ルルーシュの中にある、自分への気持ち。

自分の中にあるルルーシュへの気持ち。



薄々、なんとなくだけど気づいてしまいつつある。



契約をしたのは、お互いの利益のため。

野望のため。

願いのため。

お互いがあればいい。


そう思っているのに。




これ以上近づけば。
知ってしまえば。

きっと後戻りできなくなる。

その前に。



どうか止めて。
この胸にある愛しさを。





















「それに、だ」
「?」
「お互い何もかもを知り得てしまえば、楽しみも何もないだろう」
「…」








にっ、と笑うC.C.に、ルルーシュは目を丸くして見つめる。


個々だから愛しい。

誰かを知ろうと思うのは、お互いを認識しているから。



全てを理解しようなどとは思っていない。

ただ、彼女のことを一番知っているのは、自分でありたいと思う。



















「それもそうだな」
「理解したのなら、もう寝よう。」
「ああ」









わかってしまったらきっと。
止められない何かがくすぶっている。



こんなにも心乱される存在に出会ったのは、きっと初めて。

あとにも先にも、君しかいない。





















「お休み。ルルーシュ」
「お休み、C.C.」







心の中で、愛しさを呟いて。
押し込めて。


かけられた布団の中、見つめあえば。




その瞳に映るのは、お互いだけ。




















「何も分からずとも、お前の心はわたしの心。わたしの心はお前の心だ」
「ああ、わかっているさ」









やっかいな女。

難解な女。

土足で踏み込んで置いて、近づくスキを与えてくれない。




ただ、心だけが、ここにある。

それでいい。



融和して心まで融け合えたら、二人。一つになれる










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心で通じ合える関係って、素敵ですよねv(にこっv)なノリで出来上がりました。
お互い、何も知っていなくても。そばにいるだけでそれは、どうでもいいことへと変わっていくのです。
だって、一緒にいるということが、それが一番大切なことだと思うのです。

ルルはシーちゃんのことを「わからない」といいました。
女心がわからない。とは一言も言ってません(笑)
突っ込みを入れさせようと思ったのですが、シーちゃんは勘違いをしていたわけではありません。
自分がわからないといわれたことを、ちゃんとわかってます。
が、そういう言い方をすると、ルルの反応が楽しいので言ってみただけみたいです。

ルルシーは、会話をさせるのが楽しいです。
シーちゃんを使ってルルいじめをする管理人です(えぇ)
「共犯者。それ以上でも以下でもない」というシーちゃんのセリフを言わせたかっただけ。とも言います。
愛とか恋とか。伝えることは簡単です。
言葉は何よりも、相手に気持ちを伝える大切なものです。
ですが、それだけじゃない。
心が1つなら、たとえ何も知らなくとも。同じなのです。




 

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