このままじゃイヤだって思った














クラスで聞いちゃったんだ
ヒカルのうわさ












「カッコイイよね」
「告白してみようかな」





って



















プロになって、少しずつ大人びてきたヒカル
少し前までは、暴れん坊な少年だったのに
ただの幼なじみだと思ってたのに






ヒカルのしぐさ一つ一つにどきどきしてる自分に気がついた










ううん




気付かないフリをしてただけで
本当はずっと好きだった










何かあると
イジワルだけどちゃんと助けてくれて







そんな、不器用で優しいヒカルが
あたしは大好き







もうきっと
それは、ずっと前から























ヒカルへの気持ちは、幼なじみとしての大好きじゃない


それに気付いたのは、あの日の帰り道
久しぶりに並んで帰った






まだ間に合うかな
伝わるかな







どうせダメなら
幼なじみのまま、終わりたくない







だから、決めたの







ダメでもいい
ぶつかってみよう










何もしないまま
ヒカルの幸せを願うことは出来ない










そんな素直な女の子じゃない


ものわかりのいいフリはやめよう







自分に納得してからあきらめたい















そう思ったから
伝えることを決めた





























ろうかで見つけたヒカルの姿を呼び止める











「ヒカル!」








あたしの声に、髪の毛を揺らして
ヒカルは振り返る







そのキレイさって言ったら
言葉にできないくらい
















「あかりじゃん」









にこりと、イタズラっぽく笑うヒカルは
あたしの知ってるヒカル


















「今日は、学校に来てたんだね」
「一応まだ、学生だぜ?」
「…そうだよね!」
「…オイ」














プロになってから、学校にあまり来なくなったヒカル





今はまだ
あたしと同じ学生だったこと
忘れてた








ふとヒカルの視線に気がついてしまった
ヒカルがあたしを見てる













「な、何?」
「…お前、また縮んだ?」
「…ヒカルが伸びたんだってば!」
「悪い悪い」












こうやってかまってくれるのは、あたしが幼なじみだから?








それなら、あたしのしようとしてることは
ヒカルとの関係を崩すこと











戻れなくなることが怖い










それでも
伝えたい想いがある






















「ヒカル、今日話があるの」
「話?」
「帰り、一緒に帰れないかな」











言っちゃった
もう後戻りはできない






わかってるけど
やっぱり怖い














今になって
そんな決心しなきゃ良かったって思っちゃう









だけど、踏み出さなきゃ
砕けるなら当たってから




















「お願い」
「別にいいけど…」
「じゃあ、あとで迎えに行くから」
「わかった」











ヒカルは不思議そうな顔をしてたけど




















それから放課後まで

あたしは落ち着かない時間を過ごしてた





今日伝えるんだ



ヒカルに言っちゃうんだ







違う一歩を踏み出せるかな






ダメでもともとな恋だもん



ダメでも絶対泣いたりしない




















高鳴る心臓を押さえながら
あたしはヒカルを迎えに行った























「ヒカル?」
「・・・やっと来た」
「ごめ・・・」
「遅かったじゃん」
「ごめんね、HRが長引いて・・・」













ほんとはウソ





少し落ち着きたく、教室で一人





ヒカルへの想いを考えてた



























「じゃ、帰るか」
「・・・うん」
















ヒカルと並んで帰る




あの日からまだ、そんなに何日も経ってない


自覚してからまもない、あたしの恋心





まだ2回目なのに




伝えようとしてる

























「で。話って?」
「え・・・っと
ちょっと寄り道しない?」














あたしは公園のベンチを指さして



















今日はいつもの公園じゃなくて






一度も入ったことない公園







誰にも見られないように























隣同士に座って






それだけで、あたしの心臓は爆発寸前

























「で。話って」











何でそんなに急ぐの?




ええい、もう!
どうにでもなれ!














「ヒカル・・・っ
あたしもう、ヒカルと幼なじみでいたくないの」
「何だよ、それ」














いきなりそれじゃ
ちゃんとどうやって伝えるか、いっぱいシュミレーションしたのに





なるようになるしか・・・望みはないかも・・・

信じよう
少しの可能性でも
















「幼なじみのままじゃイヤなの」
「どういう・・・」
「ヒカルにとって、女の子になりたいの・・・っ」















ヒカル
怒ってる?








うまく伝わらないかも知れない

頑張れあたし!





























「あたしね…ヒカルのこと…」










震える身体中を
自分でぎゅっと抱きしめて














「ヒカルのこと…ずっと好きだった」











言えた
だけど、これでもう
楽しかった幼なじみには戻れない





あたしが伝えた言葉は
それを意味してる















大丈夫
笑える






だって言えたから



























「ヒカル…あの」











あたしが口を開いた瞬間
ヒカルの口からため息がもれた









「はー…」
「え?」
「びっくりした」
「何が…」




















ヒカルの顔が気のせいかな


心なしか少し赤い気がした






















「『話がある』なんてマジな顔でお願いされたからさ」
「え?」
「好きな人でもできたのかと思った」
「そんな・・・っ」
「あかりの話聞いて、もっと驚いた」
「何で・・・」
「もう一緒にいてくれないかと思った」











ヒカルも


ずっと一緒にいたいって思ってくれてた?






















「でもそっか・・・うん」










何?



















「じゃあとりあえず」


















『幼なじみは卒業だな』















ここから歩き出せる二人になる














******************************************************************************************************

自サイトひかり企画=恋言葉〜女の子編『幼なじみのままじゃイヤ』です。
あかりちゃん、一番最初からそれって・・・
進藤さん、結構傷ついたと思われます。
恋言葉〜女の子編〜は。あかりちゃんからの告白のみです。
男の子編は、もちろん。進藤さんの告白パターンになります。

全部最後は両思いにするつもりなので。告白大会なわけです。
いろんなパターンを楽しんでいただけたらと思いますー






SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送