鈍感って、鈍いってことだろ?







そんなことないと思うんだけどなー

































「いや、お前絶対鈍感だって」
「絶対って何だよ」
「絶対だよ。誓ってもいいぜ」
「何を誓うんだよ」















和谷にさんざん言われ
俺はうんざりしてた







鈍感って、けなし言葉だろ?






恋に関して鈍感…とか
そういう意味で使う言葉だろ?




































「俺のどこが鈍感なんだよ!」













納得いかない場合は
反撃だ


































「…」
「何だよ」











和谷に何とも言えない顔をされて
ちょっとムッときた

































「俺のこと鈍感って、どこか言ってみろよ」
「お前、ほんとバカ…」
「バカと鈍感は関係ないだろ」
「あかりちゃんがかわいそうだ」
「何であかりが」












出てくるんだよ





















「あかりちゃん、何でお前みたいなやつを…」
「みたいなって何だよ!」
「俺だったら、絶対そんな思いさせないのに」













むかつく言い方ばっかりしやがって

























「だから!あかりが何なんだよ!」









はっきり言わなきゃわかんねぇ

















「お前さぁ…あかりちゃん見ててわかんねぇ?」
「あかりぃ?」
「あかりちゃん、お前のこと好きだろ?」
「は?」
「気付いてなかったんだ」
「あかりが?俺のこと好きだって?」
「見てればすぐわかる」
「あかりは幼なじみだぜ」
「あれでわかんないのは、かなりの鈍感だぜ」















完璧バカにされてる



































「俺が確かめてやるよ」
「は!?」
「あかりちゃんの番号、知ってるだろ」
「一応」
「電話かけて呼び出せよ」













いきなり何言ってんだ
あかりが俺のこと好きだから
それを和谷が確かめる?












何でいきなり、そんな話になってるんだよ














でもまぁ
幼なじみの好きなヤツをしっておくのも
悪くないかもしれない







和谷は俺だとか言ってるけど
あいつ
俺といても普通だぜ?



















あかりの好きな人が気になるのは
幼なじみとしてであって
それ以上は…



ないはずだ


























「早くかけろって」
「わかってるよ!」













それなのに

あかりに電話するだけなのに
何で俺、こんなに緊張してんだ?
相手はあかりだぜ?









和谷がおかしなこと言いやがるから




















「もしもし?ヒカル?」









いつもと同じはずなんだけど
違う気がする







機会越しに聞こえたあかりの声が
























「ヒカル…だよね?」
「あ、そう。俺、俺!」
「どうしたの?」
「あ、えっと…」












いつもなら、もっと簡単に話せるのに
どう切り出していいのか
言葉を選んでる















「今日、ヒマ?」
「え?」
「和谷がお前に会いたいって言ってんだけど」
「和谷さんが?」












嘘は言ってないよな

























「いいけど…」
「じゃあさ、終わったら学校行くよ」
「それだと、だいぶ待ってもらうことになっちゃうから…
あたしがそっちに行くよ」
「いいのか?」
「気にしないで。どうせ通り道だし」
「悪いな」
「じゃあ、終わったら一回連絡するね」
「ああ。じゃああとで」














いつも通りっぽく電話を切って






































「…これでいいのか?」
「十分デス
でも進藤くん」
「ンだよ」
「俺が会いたいからなんて、ウソついちゃいけません」
「ウソなんかついてないだろっ」
「会いたいのは自分のくせにー」
「ば…っ!何で俺が!?あかりに会いたいとか、
そんな…思うわけねぇだろ!」
「自分の気持ちに気付いてないなら、それは重度の鈍感だな」
「うるさいなぁ!」



















こいつが変なこと言うから
どもっちまった















俺があかりに会いたい?
何でそんなこと思わなくちゃいけないんだよ







こうなったらもう
とことん突き詰めてやる













和谷みたいなヤツだったら、絶対断固反対してやる
























手合いが終わって
あかりが来るまでにはまだ時間があって






何が悲しくて男二人




















「俺、やっぱ帰る」
「ちょい待ち!お前が帰ってどうすんの?」
「別にいいよ、あかりの好きなやつなんか」
「もしあかりちゃんもだったら、君タチ両思いだよ。
よかったねー」










だから俺は別に、あかりのことなんか









あかりのことなんか・・・















何でこんなに気にしてんだ



















「お前が聞きたいだけだろ」
「お前が聞きたがってるから変わりに聞いてやるんだよ」













頼んでねぇっつの





















好きとか

そんなの
まだ知りたくない



































向こうから人影が見えて










「ヒカル!」





聞きなれた声がした






















「遅せぇよ」
「ごめんね。長引いちゃって」








思わず
分かってるけど
八つ当たりだって






















「あかりちゃんは学生なんだから」
「和谷さん!」
「こんにちはー」
「ごめんね、急に呼び出したりなんかして」
「いえ、大丈夫ですよ」




















仲良く話してる二人を見てたら

何だかもやもやしたわかんないものが






















「早く行こうぜ!」
「あ、うん」





















後で、何かむかつく笑い方をしてる和谷を見たら
何だか無性に腹が立った

























「それでね、あかりちゃんに話があるんだ」
「はい?」
「進藤、ちょっと席はずしてよ」
「へいへい」




















話でも何でも
二人ですればいいだろ



























「あかりちゃんって、進藤のこと好きだよね?」
「え?」
「いいよ、隠さなくて」
「・・・///」
「今のままでいいの?」
「・・・それは・・・」



















何話してんだ?





てか、何気にしてんだ!?












さっき
話でも何でもすればいいって
思ったはずなのに
























「進藤さ、自覚ないんだけど、あかりちゃんのこと好きだと思うんだ」
「・・・そんなことないですよ」
「俺は、二人がつっくけばって思ってる」
「和谷さん!?」
「勇気出すなら今だと思うんだよね」
「・・・でも」
「大丈夫!進藤が余計なこと言ったら、俺が殴ってやるから」
「・・・わかりました!」























一人でやきもきしてたら、二人が戻って来た






っていうか、俺のとこに来た
























「あかりちゃんから、お前に大事な話があるってさ」












大事な話ー?



何だよそれ






















「何?」
「あ、あのね・・・あたし、ヒカルのことがね・・・」
(頑張れあかりちゃん!)
「す・・・」
「す?」
「好き・・・!なの・・・」






















は?いきなり何言ってんだ























「ほんとは前から好きだったんだけど、言い出せなくて・・・」





















和谷に言わされたな




和谷の顔見ればわかる



























「とか何とか言って。お前、和谷が好きなんだろ」
「え?」
(バカ進藤…)















俺と話すより
和谷との方が楽しそうじゃん





















ふとあかりを見ると、うつむいてた







急に顔を上げて
にっこり笑ったその顔は、何となく怖いと思わせるものがあって


















「ヒカルって、ほんと鈍感だよね」
「そんなことねぇよ」











和谷に肘でつつかれて















「何だよ」
「あかりちゃん、怒ってるぜ」
「は?」
「適当に謝っとけよ」












和谷のやつ
彼女いるくせに、マジであかりのこと好きなんじゃ












あかりは相変わらずににこにこ笑ってる


















「和谷も、お前のこと好きだって」
「へ?」
「よかったじゃん、両思い」















うまくのせられてなんかたまるかって


















いいよもう

あかりが和谷のこと好きだって












好きにすればいい



俺には止める権利なんかないんだから






















「・・・か」
「え?」
「ヒカルのばかっ!」















いきなりそれはないだろ













「何でだよっ!」
「バカだからバカって言ったのよ!バカーっ!」
「バカバカ言うな!」
「アホーっ!」



















何でこんな、ケンカ腰なんだよ


俺が何した?























「あたしが好きなのは!」











あかりは顔を真っ赤にして











「ヒカルなんだから!」




















さっきまで怒ってたのに

あかりの目からは涙が出てた





















「あか・・・」
「何よ!ヒカルのこと好きじゃダメなの!?
ずっと好きだったんだもん!!」















わかんねぇ


怒ったり泣いたり







こんなとき、どうすればいいんだろう























「・・・俺、帰るね」
「へ!?」
「あとは二人で話し合ってよ」

















無責任に帰るのかよ!


って


どうすりゃいいんだよ




あかり、泣いてんだぜ











頭がどうにかなりそうだ













だけど
無意識にあかりに手を伸ばしてた








一瞬だけあかりの肩が震えて

拒絶してるみたいに











俺は構わず
あかりを包み込んでみた











それだけなのに












心臓の音が刻み始めた



















これが
好きってことなのかな












俺って
あかりのこと好きだったんだ


























「ごめんな」
「・・・バカ・・・っ」
「ごめんって」




















もう二度と言わないから









疑ったりもしない























「帰ろうぜ」
「・・・うん」
















少しだけ落ち着いたあかりと手を繋いだ















今までと違う帰り道

























「なぁ、あかり」










今更聞くのもなんだけど


















「俺って鈍感?」












あかりはにこりと笑って





















「かなりのね」









手痛い一言


















「もうちょっと気付いてくれると嬉しいな」
「努力します…」










今はこれしか言えないけど
あかりのことなら何でも気付けるくらいになりたい





愛想つかされないようにな













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姫の描いてきた進藤さんの中で、一番原作らしい性格の進藤さんだと思われます。
っていうか、サイテー(笑)
あかりちゃんが勇気を出して告白したのを、「和谷が好きなんだろ」って。
姫だったらそれだけで愛想尽かしてます(笑)
でもあかりちゃんはいい子なので、嫌いにはなれなかったみたいです。
っていうか、進藤さんの恋言葉の一番初めがコレって・・・(汗)

こんな進藤さんは、これだけの予定なので。あとは優しい進藤さんのはずです(ぇ)








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