何でかわからないけど
嫌だと思った































冬休みが終わって
新学期が始まった
















俺にとっては、学生最後の






いや







もう当たり前には来ないかもしれない冬休み

























宿題は相変わらず出るけど



答えがあってようが間違ってようが






今後の俺には関係なく























今までで、一番気楽な冬休みだったかもしれない





































あかりに駄々こねられて、初もうでに連れて行かれたり





塔矢と碁打ったり












有意義には過ごせたはず

































有意義なんて難しい言葉
俺には似合わないな









楽しく過ごせた…



遊んで過ごせた…




って言うのが
この冬休みを表すのに、一番の言葉かもしれない












































学校に向かう道が何だか久々で













寒さで肩はすくむけど













誰も歩いてない道を歩くのは
結構気持ちいい











































何で誰も歩いてないかって?














それは俺が遅刻してるから

















校長の長い話なんか、聞いてられるかって






























そろそろ式が終わる頃

















それを見計らって出てきたってわけ











俺もなかなかの不良だね
















ばれたら、あかりがうるさいだろうけど















































「ヒカル!」












やっぱりな




学校についてそうそう

あかりに引っ掛かった














来るかと思ってたけど









































「遅刻してくるなんて、いいご身分ね」
「朝から気分悪くてさー」
「え?大丈夫なの?」

















俺の簡単なウソにだまされるのは、あかりくらいだ
































ふとあかりの顔をちゃんと見ると






何かいつもの色と違う気がした




































「あかり。顔色悪くない?」




















いつも見てるわけじゃないけど







じっくりなんて見られないけど














見た感じだけでも
いつもの温かそうな色がない













































「え?そうかな?」
「風邪か?」
「ううん。全然平気だよ」
「…そうか?」

















どう見てもいつもと違うんだけど















今日のあかりから、何となく目を離しちゃいけない気がした











































「まぁ、あかりが大丈夫って言うなら…」
「心配してくれてるの?」
「ん。まぁ…って、何で俺が、お前の心配しなきゃいけないんだよ」
「あははっ
言ってみただけだよー」




















笑うあかりはいつもどうりか?


















































「今日、一緒に帰る?」
「え?いいの?」
「あかりさえ良ければ」
「わーvやったーvvヒカルと帰るの久しぶり!」
「そうかぁ?」
「だって、冬休み前。ヒカル学校来てなかったでしょ?」



















そういえばそうだっけ?


























































「何か、嬉しいな」












そう言ってあかりは





とんって


















俺にもたれかかって





























いや









ここ学校だから









そんな見せつけるみたいな


























俺たちまだ
幼なじみのはずだろ

















俺の気持ちは決まってるけど
























































「おい、あかり…」





















これはちょっと恥ずかしいって






言おうと思った
























だって

あかりの友達…津田?だっけか?






いるんだぜ?






















見てる













見てるって












































「あかり…?」



















言いかけた俺の言葉と一緒に












あかりの髪が
俺の目の前を落ちた














































「あかり!」















津田が青い顔をして、あかりを呼んだ













































は?























倒れた?
















































「あかり!大丈夫!?
あかり!」














呼んでいるけど
あかりから返事はない





























これって何かまずい?


















アホなこと考えてる場合じゃなかった
















何で気付けなかった?



















無理をしてたあかり






















































あかりが倒れたのは
学校の廊下


















その場にいたのは俺たちだけじゃなくて



















津田の悲鳴にも
教室から顔を出すヤツもいて
















倒れてるあかりを見て

回りがざわつき始める

























保健室連れてった方が
とか

生きてるか確認した方がとか












心配のしどころが違うと思うんだけど

































終いにはそこらへんの男どもが















誰が連れてくだの言い出した





































言ってる奴が連れて行きたいんだろ







バレバレなんだよ















そうしたいならそう言えよ




















































言ったとしても
そんなの俺が許さないから






















誰よりも早く言ってやる



















あかりは俺のものじゃないけど












イヤだと思ったら嫌なんだ
























































「俺が保健室連れてく」














きっぱりと言い切って
横たわっているあかりの体に手を伸ばし
抱えあげた
















そのまま見てる奴等の波をぬって
保健室に行った






































「貧血ね」











先生に言われて







貧血って、ほんとに倒れるんだな



























「目が覚めたら、帰ってもいいわよ」











その言い方からして、そんなに心配することはなさそうだな






































「あたし、かばん取ってくるね」

















津田が保健室から出て行く







二人っきり




















ってったって、あかり、こんなだし











そんなこと考えてる場合でもなくて













































ベットで眠るあかり
















青白い顔色してる













こいつ、そんなに無理してたのか




















いくら行きたいとこがあるからって
無理してこんななってたらどうしようもないのな











バカだな、ほんと



















































何の音もしない保健室で





そっとあかりの髪をなでてみたら
























起きた
















































「・・・ヒカル?」


















目はまだとろんとしてる







































「大丈夫か?」
「あれ。あたし・・・」
「倒れたんだよ」




















廊下で思いっきりな









































「ヒカルが連れてきてくれたの?」
「俺以外に誰がいるんだよ」
「そっか・・・ごめんね」














ゆっくり身体を起こそうとするあかりを























「寝てろ」











そう言って支えてやった


















そのときはっとした



















あかり




細い




































「迷惑かけちゃったよね。ごめんね?」
「え?あ、いや・・・」

















何だ













見てるだけじゃわからなかったけど
こいつ、こんなに細かったか












































「あんま、無理すんなよ」
「・・・うん。ありがと」





















笑うあかりに、少しは無事そうなのを確認した気がして













































「津田が来たら、帰ろうな」
「・・・うん」
























誰もいない保健室で


俺は増してく鼓動を隠すのに精一杯で


















女だってわかってたけど





気づいたのは結構前で










触れてみたらどうにもならなくなって


























ただ今は









この音に気づかないフリをする

















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自サイト企画『恋愛偏差値。』恋言葉・男の子へ編『俺が保健室連れてく』。
ちょっとたくましい進藤さんでした。アホなこと考えてますが。
お姫様だっこ→保健室。素敵な萌え言葉をありがとうですv(笑)
これは・・・もう1パターン考えてたりします。もちろん恋人未満で。
恋人ひかりでもいいですが・・・うーん・・・迷います。
多分それっぽいものを描くと思われますので。ひかりスキはー止まらない(笑)

津田ちゃん、かばん取りに行ってますが、タイミングを見ています。
教室で「そろそろいいかなー」なんて。
行ってみたら何だからぶらぶで入れなかったりとかーっ!(落ち着け)
うあー!やっぱりひかり好きーっ!
何だか津田ちゃんになりたい気分です(アホ)和谷さんでも可。

次で、進藤さんの恋言葉は最後になりますー。
こうなったら最後までー(ぺこり)







音羽桜姫。









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