わがままな彼氏をもつと
いつも彼女は苦労する





















体育祭の応援で使うために
ヒカルに学ランを借りに行った



















最初はしぶってたけど
結局最後は貸してくれて








































そこまでは良かったんだけど




帰り際にヒカルは

あたしに一つのお願いをしてきた


























それは























































体育祭前に
ヒカルの前で学ランを着ること































何でこうなっちゃったのか、よくわからないけど
約束した(させられた?)以上



















学ランを着ざるをえなくて




































































借りた学ランを持って、あたしはヒカルの家に行った


































































「あら、あかりちゃん」
「こんにちはー」
「ちょっと待ってね」



























ヒカルと付き合ってることを知ってるおばさんは
あたしが行くと、聞く前にヒカルを呼んでくれる













































「部屋に来てー!」
















上から階段をつたって聞こえたヒカルの声



















































「ごめんなさいね」
「いえ。じゃあ…お邪魔します」
「後でお茶持ってくわね」
「すみません」



















あたしはゆっくり階段を上って
ヒカルの部屋の前に立つ















大きく深呼吸をした後、扉をノックした





















「開いてるー」















入って来いの合図


















ゆっくりと扉を開けて










足を踏み入れた













































「お邪魔しまーす・・・」
「遅かったじゃん」
「部活が長引いちゃって・・・」
「学生は大変だな」















そんなこともないけど


テストさえなきゃ


























「ちょっと待ってて」
















ヒカルは、今日の棋譜をまとめてる









最近からはじめた、ヒカルのお仕事


















いつか


どうしても見せたい人がいるから
そのときのために、1から自分の足跡を取っておくんだって言ってた











誰に見せたいのか、あたしは知らないけど

聞いちゃいけないような気がするから

ずっと黙ってる





ヒカルが話したいって思ってくれるまで





































「わかった・・・」















そう言ってあたしは、ヒカルのベットに腰をかけた









だってヒカルの部屋

座るとこないんだもん








いつも、いろんな棋譜でちらかってる










無鉄砲に見えて、実は勉強家なヒカル








碁に関してだけね










今でも計算させようとすると、すごくいやな顔するの









でも指導碁の話を持ちかけると、快く受けてくれる

好き嫌いが結構はっきりしてるヒカル






















「終わった!」
「お疲れさまー」











ヒカルが伸びをひとつ


















「見てもいい?」
「ん。」












あたしも碁をやってるから


部活どまりだけど













たまにヒカルの棋譜を見せてもらって、勉強してるのよ
これでも。




























「ねぇ、何でここに打ったの?」
「だってそこは・・・」
















きになるとこはちゃんと聞く





使えそうなら、今度使ってみよう










いつもそう思うのに、あせっちゃって使えないことも少なくなかったりして
























「あ、そっか!」
「わかった?」














ヒカル

前より教え方がさまになってきた




わかりやすく、優しく教えてくれる



相変わらず、指導碁のくせに手加減ないことばっかりだけど




























「まとめたし、よしじゃあ。着て」
「えっ?」
「え?じゃねぇよ。学ラン」
「い、今から?」
「そのために来たんだろ?」
「そうだけど・・・」













そうだけど





自分で待ってって言って、都合が終わったらさっそくなんて

ちょっと油断してた

























わかってたのに



ヒカルはそんなだって























「まだ、心の準備が・・・」
「学ラン着るだけなのに、何の準備がいるんだよ」
「いるの!」










いろいろいるんだよ











普通じゃ着ないものを着ようとしてるんだよ?


それだけで準備がいるのは立派な理由






















「準備できた?」
「そんなにせかさないで
着替えるから・・・待って…」
「早くしろよー」
「見ちゃダメだからね!!」














恥ずかしいのを我慢して
制服を脱いで、学ランに袖を通す













何かひんやりする










学ランって、こんな感じなんだ

























「き…っ着替えたよ…っ」












うぅ
恥ずかしい












ヒカルは何も言わずに
ただじっとあたしを見てるだけ
















何か言ってー!
















祈るように、あたしは目を閉じた






























「あかり・・・」
「・・・何?」
「お前、似合いすぎ」
「え?」














似合いすぎって























「男に見える?」
「そうじゃなくて・・・」















あれ?




ヒカル、顔赤い?


































「ヒカル?どうかした・・・?」
「何でもない」















あたし、何かしたかな?






























「もう、いいから・・・脱げ」
「脱げって・・・え?」
「着替えて」
















ヒカルは後ろを向いちゃって









あたしは学ランを着たまま、どうしていいかわからない








ヒカルにお願いされたから着たのに、もういいなんて




























「もうちょっとこのままでいたいなー・・・」










せっかく着替えたんだよ?



ヒカルの学ラン













気持ちいい





















「いいでしょ?」
「・・・どうなってもしらないからな」
「どうもならないよ」





















たまにはヒカルをいじめちゃえ









照れてるでしょ?今










だって真っ赤になってるもん





















我慢してる




















ヒカルが言ったんだよ?





俺の前で着ろって














自分の責任だよね


















今日のあたしは、ちょっとイジワルかな






























後ろを向いてるヒカルの隣に座って






































ぴたりと身体をつっくける
































「あかり、お前、学ランよそでは着るな」
「え?でも応援」
「それ以外」











終わったらヒカルに返すのに























「うん。わかった」














わがままだけど、可愛いヒカル



















「見せるのヤだな・・・」







ぽつりとそう言ったあと、イジワルに笑って





















学ラン着るの



本当はヒカルの前でだけがいいなって思うけど












きっかけはこんなんだけど

























あったかいヒカルの学ランに
なんだかちょっと懐かしかった
























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学ラン。進藤さんワガママ編2部作でした。
前編は、進藤さん語り。後編はあかりちゃん語り。
あかりちゃん語りは見ての通り、進藤さん語りのその後です。
まーたあかりちゃんバカなのが笑えます。(笑)

高校生あかりちゃんと、プロ進藤さん。
付き合ってます。恋人ひかりー


まだまだ学ランネタありますよー





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