ずっと見ていたいなんて























学校から帰ったら
すぐに和谷から呼び出しがかかった
















頼んでた棋譜が見つかったって言うから





すぐに着替えて
待ち合わせた場所にでかけるところ



















久しぶりに行った学校










もうすぐ着なくなる学ラン








あんまり着てないからかな










他の奴のに比べると
キレイな気がする














大きかった学ランも
今はちょうどよくなって








俺も落ち着いてきたと思う













もっと大事に扱うべきなんだけど



急いでるから仕方ない












着てた学ランをベッドに脱ぎ捨てて





















「あ」







そういや
あかりに指導碁頼まれてたんだっけ?






時計を見たら
4時40分










帰ってから来るって言ってたし




まさかまだ来ないだろ
















とにかく棋譜をもらいに









行くって言っちまったしな








あかりなら少しくらい待たせても…
外じゃないし










出かける前にお母さんに頼むことにした



















「今から出かけるんだけど、あかり来るんだ」
「これから?」
「指導碁頼まれてさ
行かなきゃいけないから、あかり来たら部屋で待っててもらって」
「はいはい。気をつけてね」













部屋ちらかってるけど
ま、いっか









あかりならわかってるよな












俺は出かけた



















「ほら、これ」
「おー!サンキュー!」












プロになったくせに俺は、自分で棋譜を棋譜集を買ったりとか
そんな勉強はしない










今まで、すごいヤツがいたんだ






そいつと打ってたんだ














俺の勉強はいつも



自分の碁を自分のものとして
あいつならどうやって打つのかを考えること











そうすると、決まって次の手合いは勝てるんだ



















「探したんだぜ、それ。」
「悪いっ!」
「俺、一通り見たからさ、返すのいつでもいいし」
「恩に着るぜー!」
「なぁ、これから時間ある?1局打ってかね?」
「あー・・・っと。」












あかり、もう来てるよな






















「これから約束あんだ」
「何だよ、デートかよー!」
「何でデートなんだよ!」
「あかりちゃんと?」
「あかりとだけどデートじゃない!」
「つまんねぇのー」










どうも和谷のやつ



俺とあかりをつっくけたいらしい









そりゃ俺だって



















って


話してる間にもあかり

機嫌悪くなってるかも





















「悪り。また今度な!」
「おー!頑張れよー」













何を頑張るってんだよ




ったくあいつは



















オトナだか何だかしんないけど










俺にはまだ早いって思えよ










彼女とか











そんなんじゃないんだから

















とにかく待たせたあかりが、まだいることを願って




俺はうちに急いだ




















「ただいまっ!」
「お帰りなさい。あかりちゃん、部屋で待ってるわよ」
「ありがとっ!」
















声をかけてくれたお母さんの顔も見ないで





俺は音を立てて階段を駆け上がる




















「あかり!遅くな・・・っ」















扉を開けるとそこには











俺が脱ぎ捨てた学ランをしっかり抱いて寝てるあかり




















そんなに待たせたか?







そんなに疲れてるのか?
























しかも学ラン





















俺は起こさないように静かに部屋に入って












自分の部屋なんだから別に、遠慮するようなこともないんだけど













あかりは学ランをしっかり握りしめるように
何か微妙に笑いながら寝てる










いい夢でも見てんのかな












そっとベットに近づいて、学ランをあかりから離そうとするけど


引っ張ったら、さらにあかりの腕に力が入った














寝てんじゃないのか














学ランを離したくないのか










このままじゃしわになって、お母さんに怒られる








早く起きろって













でも











何だろ












静かだからかな








あかりの寝息が聞こえてきて











少し笑った寝顔に

















もう少し





いや







ずっと見ていたいって、思ってしまった

















ヤバイ






















あかりの寝顔なんて、小学校以来だ










変わってない?













変わった?
















俺の心臓が波打ち始めたとき



あかりの目が開いた























「・・・ヒ・・・カル・・・?」
「お、おすっ!」







不自然かとも思ったけど
















「あれ、あたし、寝てた?」
「そりゃもう、ぐっすり」
「やだー・・・起こしてくれればいいのに・・・」
「よだれたらして寝てたからさ」
「よだれ・・・っ///」










素直に反応するあかりが、何だか楽しかった
















「ウソだよ」
「・・・イジワルっ!」










真っ赤になって怒っても



そこに抱いてる学ランを離そうとしない




















「あのさ、それ・・・」
「え?」
「しわになるかもなんだけど・・・」











あかりが俺の学ランを抱きしめてる












別に俺が抱きしめられてるわけじゃないのに





なんでこんなにうるさいんだよ


















「あ、ごめん・・・っ!」








あかりは慌てたように、学ランを離した
















「ごめんね、まだ必要なのにね」
「別にいいけど・・・」









よくない









俺の気持ち的には良くない














だけど変わりにいいものも見せてもらったし



















「お前、疲れてるなら帰ったら?」
「え?指導碁は?」
「今度学校で打ってやるよ」
「囲碁部に来てくれるの?」
「ってか、お前引退したろ?」
「じゃあ、また来ていいの?」
「何遠慮してんの?」














幼なじみなんだから





今はまだ













来れるうちに行き来できるように









俺はもう、お前の部屋には入れないから




















「わかった!じゃあ、また来てもいいかな?」
「いつでもどうぞ」
「v」












あかりは嬉しそうな顔をして


















「今日は帰るね。何か寝にきたみたいでごめんね」
「気にすんなって」










お代はいただきましたから














「じゃあ、また今度!」
「送ってく」
「いいよ!まだ明るいし」









そう言ってあかりは、手を降って下へ降りていった













あかりの持ってた学ランを手にとって












甘い匂いにまた反応したのは


まだ伝えられない事実











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というわけで続きでしたー。進藤さん語り
結局なにもせずじまいです。ええ、ヘタレ(笑)
眠ったあかりちゃんを目の前にして、うちのサイトの進藤さんにしてはめずらしく(笑)
手を出しませんでした。まだ恋人未満な関係もありますが。
あかりちゃんの寝顔にどきどきほのぼのしてます。
ずっと見ていたいとか、気持ちだけは正直なようです。
ちゃっかり恋人っぽいセリフはいてますが、恋人未満です。

まだありますよー。学ラン(ぇ)











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