その姿のあなたと
































高校に入って
初めての冬を迎えようとしてる









































吐く息は白くて
そろそろコートがほしくなってくる季節


















初めて
ヒカルが隣にいない冬



















会えないわけじゃないの











会おうと思えば会えるの













































だってヒカルが、遠慮しなくていいって
言ってくれたから



















だから










たまに無理をして
我慢もして




















会えた時を楽しみに待つ日々を過ごす



























































ヒカルにね
どうしてもお願いしたいことがあるの
















嫌がるワガママかもしれない


















だけど


これが一番の願い
























あたしはヒカルのうちに向かった




















































「上がれよ」
「うん」



















あたしが行くと
いつもジャージ姿













それも似合ってるけど














































ヒカルに一番似合うのは

あれだと思うの













































「どうした?急に」
「別に?無理しないで会いにきただけだよ?」



















それと
お願いをしに














































「連絡もなしに来るなんてめずらしくない?」
「そうかな?」

















自分でも思うけど




















だって連絡なしだとヒカル
いない時があるもの



















すれ違いなんて寂しいから







なるべく連絡するようにしてる









































今日は
運がいい






















































「あのね、ヒカルにお願いがあるんだ」


















さっさと切りだすことにする










強がって言えなくなる前に












































「何?」
「学ラン…着てほしいの」
「学ラン?」
「…うん」


















卒業以来
見れなくなったヒカルの制服姿















最後の日











後悔をいっぱいしたの













































写真にすら残すことが出来なかった
一番好きだったヒカルの姿















自分では言い出せなくて















今は違う











わがままを言いたくて言えなかった

少し前とは違う














願えば

























叶えてくれるヒカルがいる









































「学ラン着てどうすんの?」
「え・・・」











言えって?































「だって、あたしたち、普通の高校生だよ?」
「俺は違うけどな」
「歳は高校生なの!」
「そりゃそうだ」



















だって













あたしだって、普通の気分を味わいたいよ
















ヒカルは高校生じゃない














だけど、あたしはただの学生
















仕事してるヒカルのこと、尊敬してる













だけど








それだけじゃ寂しい





























学ランを着た、高校生なヒカルを
みんなに紹介したり



























一緒に制服で歩いてみたり























普通の高校生気分を味わいたい


























誰もが願うことでしょ?



















あたしたちは、普通じゃない?










































「別にいいけど・・・」
「ほんと?」
「いつ着ればいいの?」
「ヒカルがヒマな時でいいよ!」
「わかった。じゃあ・・・来週の水曜でいい?」
「・・・うんっ!」

















やっぱり言ってみるものだよね






































「学校まで迎えに来てほしいな」
「特別だからな!それ意外はイヤだからな」
「わかってるもーん」















ヒカルにだって、立場ってあると思うから











一度だけでいいの














一度だけの









高校生を


















ワガママを

































次の週の水曜日












ヒカルは本当に学ランを着て、学校まで迎えに来てくれた































「ほんとに来てくれたんだ・・・」
「お前・・・っ!あかりが来いって言うから・・・!」





















ヒカルは
















優しい


















不器用だけど
















あたしにだけ優しい
































「えらいえらいv」
「・・・」
「何?」
「・・・別に・・・」















言いたいこと、いっぱいあるよね













でも
言わないでいてくれるんだね





















あたし




もっとワガママになっちゃうよ








ヒカルの優しさに








気をつけなくちゃ






























「どこか、行くか?」
「え?まっすぐ帰らないの?」
「帰りたいのか?」
「そうじゃないけど・・・」












早く帰りたいのは、ヒカルの方だと思ってた






























「じゃあね、駅前に出来た、カフェに行きたい!」
「あそこか。よし、行くぞ!」
「わーいvv」


















二人で歩き始めた時











後ろから声をかけられた


























「あかりー?」











気づかれないように、誰よりも早く教室を出たのに




浮かれて時間過ぎてた?



















「早く出てったのに、何してんのー?」












話をしながら
ヒカルの方をちらっと見る











どうしよう







ヒカルにイヤな思いさせちゃったら








ただでさえ、あたしのワガママに付き合ってもらってるのに






























「ひょっとして、あかりの彼氏!?」
「ウソ!かっこいいーv」















言われるの、わかる

















制服姿のヒカルは、ほんとにかっこいい

















学ラン着てたら、ほんとに普通の高校生だもん






























「ねぇ、紹介してよ」
「あ、うん。進藤ヒカルくん・・・幼なじみ」
「彼氏じゃないの?」
「彼氏だけど・・・」













こんなことになるなら、あたしがヒカルのうちに行って



家で着てもらうだけの方が良かったかも・・・






















「進藤ヒカルです」












ヒカルはぺこりと頭を下げる


























「あかりの彼氏です」



















ヒカル?












そんなはっきり
















いつも恥ずかしがって









聞きたい言葉を言ってくれないのに
































「これからデート?」
「あ、うん」
「行くぞ、あかり」
「え、うん」

















あっちで返事して











こっちで返事して


















一歩前を歩くヒカルを追いかけた































「ヒカル・・・ごめんね?」















駅に向かって歩き出す、ヒカルの後姿に






















見える夕日がにじんだ気がした






























「何であかりが謝るんだよ・・・」
「いやな思いさせちゃったかな・・・?」
「そんなんじゃない」
「じゃあ何で・・・?」
















あたしを見てくれないの?




















振り返ったヒカルは、夕日のせいかな













顔が赤い
























「あれで・・・よかったんだろ?」
「え?」
「彼氏だって、言ってやったぞ」
「・・・うん」















もしかして





照れてるの?
































「俺こそ、ごめん」
「何で?」
「あかりは、高校生なんだよな」
「?そうだけど・・・」
「こうやって俺が制服着てたら、高校生に見えるんだって・・・思った」
「・・・うん・・・」
「だから!たまには、こういうのも・・・悪くないかな・・・なんて」
















それって

























「また着てくれるってこと?」
「あかりがそうしてほしいなら」
「ヒカル・・・」














それだけで十分だよ































「ありがと」
「何で?」
「言いたくなったの!」


















ワガママじゃなくなるかな













あたしの気持ち






























「だから、泣くなよ?」
「泣かないよ」
















ヒカルがいてくれるもん





























「俺、あかりとならどんな姿だって一緒にいたい」
「あたしも。」















それは学ランに限らず
















二人でいられたら
それでいいね



























「んじゃ行くか!」
「うん!」
















いつもと違う二人の姿










影に映し出されて



















離れていた距離は







縮まった














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最初にUPした学ランの。あかりちゃんのワガママ編です。
一度でいいから、普通の高校生カップルをしてみたい。
友達の話を聞いたり、制服で歩いてる同い年っぽい人たちを見るたび
ずっと切なくて。進藤さんにお願いしたくて。でも困らせたくなくて。
最初で最後の。高校生カップルでした。

ですが、進藤さんも気づいたようなので。
制服着てたら、普通の高校生カップルに見えるんだな。と、。
何だかちょっと照れてます(笑)
これからは。また着てくれると思いますv
あかりちゃんの一途の勝利ー!(ぇ)








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