好きだから許せちゃう
好きだから許せない
















LOVERS

















「好き」



ヒカルのその一言で
あたしは何でも許せてしまう


ヒカルの一言一言が
あたしのもとに届くから



















「悪かったって、ごめん」



今回のケンカの原因は
毎度のこと




ヒカルが約束を忘れたこと











「別に怒ってないもん!」





そう
怒ってるわけじゃない




ただ、すねてるだけ







「今年になって、ヒカルがあたしにまちぼうけ食わしたの、
一体何回目なのよー」







うらめしそうにヒカルを見ながら
あたしが覚えてるだけでも、今年に入って5回はくらってる









「2回…かな」










ヒカルの答えにあたしは、怒るよりもあきれるよりも
脱力した

人間、自分に都合の悪いことは忘れるって言うけど
まったくもって、そのとおりだと思った















「5回」
「へ?」
「ヒカルがあたしにまちぼうけくらわしたの、5回!」





あたしはご丁寧に、ヒカルの目の前に5本指をつきだしてあげる








「ごめん」





ヒカルは正直に謝る
言い訳しないだけ、救いようはある

ヘタに言い訳されると泣きたくなるけど、
ヒカルは絶対に、自分の弁護はしない
ちゃんと素直に謝ってくれるから















自分の立場が悪くなっても、絶対に言い訳しない








そんなとこも好き





でもこれだけじゃ許してあげないから








「どうせあたしとの約束なんて、忘れてもいいと思ってるんでしょ?」











今までにない、意地悪を言ってみる
たまにはあたしだって、困らせてみたい
めいっぱい反省してらもらうんだから








もちろん、今言ったことは本心じゃない
待ち合わせには遅れても、必ず来てくれる
約束を破られたことは一度もない
毎回あたしに怒られた、ちゃんと反省してくれる





そんなとこも好き








困ってるヒカルの顔を見ようと、そっぽむいてる片目をあけてみたら
困ってるどころか、真剣な顔をしてあたしに言った
















「お前、それ本気?」




少し怒った声で




あたしの心臓がはねあがった
怒らせた

困らせようと思って言ったのに
あたしの計画はいつも
ヒカルの前だとうまくいかない













「ヒカ…」
「本気かって聞いてるんだけど」






あたしの言葉が、ヒカルの声に遮られる







そんなに怒ること言ったのかな
どうしよう






黙りこんだあたしを
ヒカルの目が捕らえる











怖い













「本気じゃない」




あたしの方が折れて







「じゃあ何でそんなこと言うんだよ?」






だって








「あたし、すねてるって言った」
「うん」
「ヒカルが困ればって思ったの」







何であたしが、逆に困ってるんだろう
うまくいかない







「お前なぁ。何でわざわざそんなことするんだよ」








ヒカルがあきれた声を出す














「だっていつもあたしばっかり」









ヒカルはずるい
どうすればあたしが許すのかしってる
いつもあたしのこと一番しってる






あたしはヒカルのこと
知ってるようで知らない
























「お前、何にもわかってないのな」




そんなにはっきり言うことないじゃない
ヒカルの言葉ほど、あたしの心に響くものはない



涙が出そうになった




そんなこと、自分でもわかってる
わかってるから、頑張ってる








ヒカルに言われたら、あたし一体どうすればいいの?



















「お前が怒ったり泣いたりすることが、俺は一番困るの!」






ヒカルの言葉にあたしの涙はとまった







「泣かせたくないんだ。困らせたくも、怒らせたりだってしたくない」









あたしの肩に手をおいて
あたしの目をまっすぐに見て














「好きだから」









優しく響く
特別な言葉はまっすぐに
あたしに届いた









そんなこと言われたら
怒れない

















あたしの負けだ























「もうしない?」
「うん、しない」
「前もそう言った」
「そうだっけ?」





忘れたフリなんてさせないから





「今度やったら、ヒカルのこと嫌いになるから」





できるわけないけど
悔しいからイジワルを言ってみる
ヒカルから返ってきたのは、思いもよらない言葉









「なれないよ」


何で?
あんまり約束破っちゃうと、
ほんとに嫌いになっちゃうかもしれないよ

でもたとえ、何をされても
ヒカルのこと、嫌いになれないんだろうな
それを一番わかってるのはあたし











「何で?」
「だってあかり、俺のこと好きだから」










ずるい
ちゃんとそういうことは知ってるんだから
ヒカルばっかりあたしのこと知ってて







「嫌いになっちゃうかもって言ってるのに・・・」
「ありえないから」







きっぱりと言い放つ




その自信は、一体どこから来るのかしら
たしかにありえないかもしれないけど
万一の可能性だって





















「でも、わかっててやってると、
あかりが離れていくかもしれないから
もうしない」





そんなに切なそうな顔しないで
嫌いになったりしないよ
絶対に

だってなれないもん
大好きだから
それだけは、ヒカルにもわからないかな

















「じゃあ、今度は約束守ってね」
「わかってる」






約束代わりにキスを交わす






ずるいよ、ヒカル
だけど、そんなヒカルも大好き
悔しいから、そこまでは言ってあげない
だけど届くよね?








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あれー?
何かお話・・・というか、タイトル変わってました。
最初違うタイトルだったのですが、お話が進むに連れて
合わなくなってきたので、急遽このタイトルに変更した記憶が・・・(滝汗
まぁいっか!

進藤さんに勝てないあかりちゃん。
でも、進藤さんもあかりちゃんには勝てません。
だって大好きだから。
進藤さん、かっこよかったり可愛かったり。
あかりちゃんはそんな進藤さんに振り回され、
自分も天然で振り回します(笑
どっちもどっちです。


最後まで読んでくださって、どうもありがとうございましたv






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