すれ違って
それでも戻る場所

たどりつける


























天然ロマンス




























「ヒカル、来週ヒマ?」








あかりが突然尋ねてきた


























「来週ー?土曜日なら…ヒマかな」








答えた俺に




















「一緒に買物に行ってほしいんだけど」







手を合わせてお願いしてきた










そんな頼み方しなくたって

























「別にいいけど」











俺が断るはずないだろ?




























「良かった!」








嬉しそうな顔をする








もうこいつ
ほんとかわいい
































「あのね、どうしても欲しいものがあってね
それがね、ヒカルと一緒じゃなきゃ、絶対ダメなものでね!」










息を付く間もないくらいに
あかりは誘った理由を説明する





























「だから、絶対ヒカルと行きたいの」











だからかわいいんだってば
































「大丈夫か?」












説明を終えたあかりは、一気に吐き出したせいか
軽く息を切らしている

















「うん、大丈夫。
いっぱいしゃべりすぎちゃった」
「息くらいしろよ」
「ごめん」






























「忘れちゃった」










なんて言いながら笑う


















何かいいな

































幼なじみでいる時も
「かわいい」
って思ったことあるけど










付き合ってからは
そう思わない日はないくらい






あかりはかわいい





















彼女バカだっていわれても構わない







かわいいもんはかわいい





































「何時に迎えに行けばいい?」
「待ち合わせにしよ!いつものところ!」
「わかった」
「じゃあ、ゆびきり!」
「はいはい」













俺たちの約束は
あかりに従って指切りが多い











口約束じゃダメなのか?





いつも疑問に思ってた












ただ女って言うのが、指切りが好きなのか






それとも




































「なぁ、あかり」
「なぁに?」
「何で指切りなんだ?」
「え?」
「約束する時。あかり指切りしたがるじゃん」
「それは…」
「口約束じゃダメなのか?」











俺ってそんなに信用ない?


























「ちっ違うよ!」
「じゃあ何で?」
「何でって…
だって、ヒカルに触れることができるでしょ?」
「あかり…」











何なんだよ



何でこんなにかわいいんだよ












好きだって










恥ずかしげもなく思ってしまう



かなりやられてる








































「そんなのじゃなくても、触れられるぜ?」
「え?」











うつむいていたあかりの顔があがって
俺は頬に触れる



























「ヒカ…」
「な?」
「///ばかぁー!」
「いてっ
お前が触れたいって言ったんじゃねぇか」
「すぐそうやってからかうんだから!」
「からかってなんかないって!」












俺は、攻撃するあかりの腕を止めて




























「俺も触れたいって思ったんだから、仕方ないだろ?」
「…///ばか…」
「何とでも」












バカだっていいさ











あかりに関してバカって言われるなら望むところ
































「来週!あけといてよ!」
「わかってる」










約束したからな























「じゃあね!」











あかりは真っ赤な顔でうちに入っていった






























あんなに素直に反応されると
やっぱりからかいたい気持ちもないわけじゃないけど








触れたいと思ったのは嘘じゃない



























「俺も帰るか」









さっきのあかりを思い出しながら
満足な気分に浸りつつ、俺はいえに向かった































約束の日













今日こそは遅れるもんかと
俺は早めに待ち合わせ場所に着いた

































「さすがにまだ来てないよな」














来た時のあかりの反応を考えると楽しくて
















絶対驚くに決まってる








自分で言うのもなんだけど
俺の遅刻は当たり前になりつつある









そんないいかげんを撤回すべく
今日は早く来たわけだけど



















待ってるのって、こんな気持ちなんだな

何時来るのか、ちょっと緊張気味にあかりを待つ










































ところがその10分後


俺の携帯に電話がかかってきた










着信は『あかり』

































「もしもし?」
『ヒカル?』
「どうしたんだ?」
『うん、あのね。今日行けなくなっちゃったの・・・』
「・・・へ?」
『ごめんね、ヒカル。ほんとにごめんあたしから誘ったのに・・・』
「何かあったのか?あかり」
「ごめん、今は言えないの」
「今はって・・・」
『今日夜に、ちゃんと話するから、ごめんね』
「あかりっ!」














電話は切れていた



















何だ

何があったんだ













随分元気がなかったみたいだけど

どこか気分でも悪いのか



























考えてみたけど
あかりが話してくれるまでは余計なことは












『何か』はあったんだろうけど
話してくれるのを待つことにした












驚くあかり、見たかったんだけどな















残念だけど仕方ない








俺は結局、またうちに戻った




















そこで聞いたのは、あかりについての事実







































「ただいまー」
「あ!ヒカル」














お母さんが少し慌てて
どこかへ行くみたいで
























「お母さん、どこか行くの?」
「あかりちゃんのお母さんがね、倒れたんですって」
「え!?あかりが!?」
「え。ちょっとヒカル?」


















俺はお母さんの話を最後まで聞かずに
慌ててうちを飛び出した




























「あかりちゃんの「お母さん」がねーっ!
聞いてないし、あとでどうせわかるから、いいかしら」































後で何か叫んでるみたいだけど
俺には届かなかった
















このときの俺には、あかりのことしか考える余裕がなかったのかもしれない































あいつ、病院から電話かけてきたのか









しゃべれるってことは、そんなにひどい容態ではないはず
















自転車を飛ばして、近所の病院から回ってみる







































「藤崎あかりって人、入院してませんか?」
「ちょっと待って下さいね
・・・うちの病院にはいませんよ」
「そうですか・・・」














ここじゃない





もっと大きな病院か































何件も回って






途中で気が付いた











お母さんは知ってるんだ

聞けばいいんだよ


















自転車を止めて、お母さんに電話をかける





































「お母さん?」
『ヒカル!何よあなた、急に飛び出して』
「それより!病院!どこ!?」
『中央武蔵病院よ』

















塔矢名人が入院してたのと同じところか

































『ヒカル、あかりちゃん帰ったから』
「え?」
『あかりちゃんのうちの前で待ってたら?』
「・・・わかった」

















もう帰れたのか?






んなに軽い容態なのかよ














とにかく
元気であることを祈った









































あかりの家の前で、落ち着かない時間を過ごす














早く帰ってこいよ














無事なのかどうか
この目で確認したい




















祈る気持ちであかりのことを考える










































「ヒカル!?」











足音にも気づかなかった



























「どうしたの?何し・・・」














無事だ


元気なんだ









安心したら、その身体を抱きしめてた


























「無事でよかった・・・」
「ヒカル・・・」













あかりの心音を確かめて







ここにいるのと、改めて元気そうなのを確認する








































「ヒカル、今日はごめんね」
「いいよ、あかりが無事なら
それよりもう、大丈夫なのか?」
「うん。先生が言うには、軽い貧血だって」
「そうか、よかった」
「でも念のため、今日は入院だって」
「今日は・・・」













ん?



今日は?















だってあかり、今ここにいるだろ



病院にいなきゃいけないのに、何でここにいるんだ





































「お母さんが倒れたとき、ほんとにびっくりしちゃって・・・」
「へ?おばさん?」












お母さんもあかりも、おばさんの話してたのか?







俺、勘違いして走り回ってた?












バカみてぇ













それほどまでに、あかりのことしか頭にないのかよ、俺



















だけど


あかりに何もなくて、ほんとに良かった





































「明日、俺も見舞いに行ってもいいかな?」
「うん・・・うん!ありがと」
「だから、元気だせよ」
「うん。ほんとにありがとう」
















振り回されてばっかの一日だったな











それでもやっぱり





俺はあかりのとこに来るんだ











すれ違ったって
絶対その場所見つけて、探し出してやる






あかりのことになると、いっぱいいっぱいになるこの頭





役に立つんだか立たないんだか


















とにかく
会えてよかった


元気なのがわかったし

支えてあげられるから


















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カウンター8000番を踏んでくださったねな太さまへv
リク「何かの勘違いで、あかりちゃんを探し回る進藤さん→最後は会えてらぶらぶvなひかり」でした。
進藤さんには、かなりのあかりちゃんバカになってもらいました。
あかりちゃんと、あかりちゃんのお母さんを間違えて、駆け回ってもらいましたが・・・
リクどおりになってますでしょうか??(滝汗)
最後より最初の方がラブ度が高いのは気のせいですか?気のせいです(笑)

何だか、進藤さんを心配して探し回るあかりちゃんも描きたくなってきました(アホ)


とにもかくにも、8000番踏んでくださり、どうもありがとうございましたvv
これからもどうか、よろしくお願いいたします(ぺこり)








音羽桜姫 拝





追記。
ねな太さまへ。
10.19。現在。メール届いていますでしょうか?
届いてないようなら、お手数ですがご一報願います(ぺこり)すみません。










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