頭ではわかっていても
止められない気持ちだってある



























Contradiction



























「なぁ、来月の第4の土日、空いてる?」
「来月?…えっと…
うん。今のところ、空いてるけど…」
「予定いれるなよ」
「え?うん…」









ヒカルから聞かれた土日の予定



一日だけの予定を聞かれるのは
少なくないこと
二日分の予定を聞かれるのは
初めてだった






ヒカルは
あまり予定を気にしない




あかりの都合、関係なく
呼びだすことが多かった



















「用事がある」






と言えばあきらめるが















「特にない」








とか答えようものなら






















「今から来い」だ

















ヒカルはもう社会人
あかりはまだ学生










休みはほとんど合わない


























イベントなどがある時は別として
平日はほとんど







まったくと言っていいほど会えない























土日も
ヒカルの仕事の影響で
月に2、3回休みが合えばいいほうだ






















ふだん会えない分
会える時は会えるように








あかりはなるべく
土日には予定を入れないようにしていた

























「ねぇ、何かあるの?」
「うーん…今度言うから」
「えー!気になるよー」
「言わないなんて言ってないし」



















あかりは少し頬をふくらませて



























「絶対教えてくれる?」
「何のために予定聞いたんだよ」




















あかりにも大いに関係することだから


































「絶対だよ!」
「わかってます」



















ヒカルが言うと約束したから

そこであかりは納得をして


























翌週ヒカルから聞いた言葉に
驚くことになる




















「え?旅行?」
「そ。旅行」















ヒカルが旅行に行くと言い出した







「いつ?」
「来月の第4土日」
「…って」








あかりに予定を聞いた日



















このためだったのかと納得する































「でも旅行って言ったら、お泊り・・・だよね?」
「そうだけど・・・」
「お父さん、許してくれるかな?」










あかりが不安そうな顔をする























「大丈夫、おばさんに話したら、うまく説明してくれるって言ってたから」
「お母さんに話してあるの?」
「ああ、あかりに言う前にな」



















そういうことは、早いようだ























「楽しみv」
「そっか」











ヒカルも楽しみにしているけれど



今はまだ、それを隠す




























そして迎えた当日
















「ヒカル!ほら見てv可愛いv」
「買ってやろうか」











二人は旅行に来ていた













初めて2人でお泊り









楽しみだけど

すこしのどきどきも期待して




















「ちょっと待ってろよ」
「うん」












あかりがほしいと主張したものを、ヒカルは精算所へ持っていく

















その後姿を見ながら、あかりは壁にもたれかかった













少し遠くにいるヒカルを見つめる






















(何かヒカル、今日は特別優しいな)













雰囲気からなんだろうか










あかりはそう感じた



























そんな優しいヒカルを、もっと好きになってしまいそうな



























「ねぇ、誰か待ってんの?」













不意に知らない声が聞こえて








あかりは視線を移す































「え?」
「ヒマしてんだったら、俺たちに付き合わない?」
















俗に言う、ナンパというやつだろう





























あかりは可愛い











ヒカルと待ち合わせしていても













ヒカルが来るまでに声をかけられたことは
数え切れないほどあると言ってもいい














だからヒカルは気をつけて


あかりを1人では待たせないようにしていたのだが




























可愛い









他人が認めるほどに











面倒見もいい















ただひとつの欠点は










屈託がないこと















誰にでも笑顔で優しく接する












期待を持たせてしまうこともあった

























「えっと、あの・・・」
「ヒマなんでしょ?」

















断ろうとするも、いつもと違って少し強引な男性たちに
あかりは戸惑う


























そこへヒカルが帰ってきて

























「悪り、遅くなった」












そう言いながらあかりの肩を抱き


男たちをにらむ
























「何だ。男連れかよ」












ぶつぶつ言いながらその場を去る男たちに








ヒカルは「ケッ」と舌を出す






















「ほら、買ってきてやった」
「あ、ありがと・・・」











嬉しそうに笑うあかりの顔







それが自分だけに向けられるものではないことを

ヒカルは理解しているつもりだった










それでもやっぱり




他の男に愛想笑いするあかりを見たくないのが本音で






















「行くぞ」
「あ、うん」











ヒカルはすたすたと歩き出す







あかりはそれに付いていく


























ふと、また何かを見つけたあかりが












「あ、あれ乗りたい」











と指をさした























その方向にあるのは、ボート




























「乗る?」
「うん!」


















二人はボートに乗り、ヒカルがこぎ
あかりはその向かいに座る


























「いい眺めだねv」
「ああ」
「晴れてよかったv」
「そうだな」













あかりとは対照的に、あいまいな返事をするヒカルに
あかりは何かを感じ取って
























「ねぇ・・・何か怒ってる?」
「別にー」
「ウソ。あたし何かしたかな?」
「なんもしてないけど」
「言ってくれなきゃわかんないよ」















あかりの笑顔が消える



























「じゃあ、言わせてもらう」















言わなきゃ気づかないというなら























「何でお前は、嫌なことをイヤって言わないんだ?」
「え?」













ヒカルの言っている事は抽象的だ

























「どういうこと?」
「だから!何で誰にでも笑顔でいられるのかってこと!」
















あかりがそういう性格なのはわかっていても



他の人に対しても、自分と同じ態度でいられるのは、面白くない
























「そんなこと言っても・・・」
「言えって言ったの、お前だからな!」
「困るよ・・・」










あかりは真っ赤になって、うつむく























「ヒカルってわがままだよね・・・」
「男はみんなわがままなんだよ!」












そうでもないとツッコミたくもなるが























「話すなって言われても無理だよ?」
「期待してない」
「じゃあ、どうすればいい?」
「知るか!」












ヒカルは完全に不機嫌だ



















「知るかって・・・言ったのはヒカルでしょ?」
「そんなの自分で考えろよ!」













言ってることはさらに無茶苦茶になる




















「なるべく・・・気をつけるようにするから・・・」
「・・・なるべく?」
「なるべく」












困ったように笑うあかりに

ヒカルは納得するしかなくて























「俺の前では仲良くするな」
「気をつけまーす」














ヒカルのワガママには手を焼くけれど










せっかく二人だけの時間






これ以上


機嫌を損ねないように
















もう少し雰囲気を楽しんで










1日一緒にいてね





















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カウンター9779番を踏んでくださった中島美智さまへv
リク「恋人前提で、旅行で喧嘩」でした。
喧嘩・・・してないですよね(滝汗)進藤さんがワガママっぷりを発揮してるだけ・・・?(だらだら;)

うちの進藤さんは、本当にワガママですねー。
あかりちゃんに怒ってるわけではないのです。
男の人に怒っているのです。
が、あかりちゃんの態度にどうにもワガママ発動(笑)
できるなら、自分以外とはお話してほしくないと言うのが、一番の望みなんですが。
以前どこかで描いたような気が・・・しなくもないのですが。
あかりちゃんをちょっとオトナにしてみました。
進藤さんの扱いになれてきたと言うことにしておいて下さい(><)
ちなみにタイトルは「矛盾」を英語にしただけです。
わかっていても納得できない、心の中の矛盾を表したということで。


とにもかくにも、8765番踏んでくださり、どうもありがとうございましたvv
少しでもご期待に添えられていると良いのですが・・・(ぺこぺこ)
どうかお受け取り下さいますよう・・・

これからもどうか、よろしくお願いいたします(ぺこり)








音羽桜姫 拝







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