たくさんの願い
重ねあって一緒に












願い













夕食の準備をしてたあたしは
時計に目をやり慌てた












「ひかりの保育園!」







思わず声をあげてしまうほどに慌てた
忘れてたわけじゃなくて
えっと…




とにかく










「早く行かなくちゃ!」





ブロックで遊んでた光を抱き上げて


「お姉ちゃん迎えに行こうね」


って言ったら、嬉しそうな顔をする


光はひかりにべったりだから
お姉ちゃんが大好き

ひかりはあたしに似て、面倒見がいいみたい

なんて





保育園まで歩いて5分
早歩きで急ぐ






「すみませーん」
「あ、こんにちはー。ひかりちゃん呼んで来ますね」



みんな帰る時間だから
先生たちが入口で待っててくれる





ひかりを連れてきてもらって





「ママ!」


嬉しそうに走ってくるのよね
可愛い




「遅くなってごめんね?」
「ひーたんいいコしてた」
「うん、えらいね」



笑って褒めてあげると
ひかりもにっこり笑う



「ひかりちゃん、笹の葉は?」




先生に聞かれて、ひかりは何か思い出したみたい




「あっち!」




そう言って、教室の方へ走っていく





「笹の葉?」
「はい。今日は七夕ですから」




先生に言われて気付く
そっか
そういえば今日は7日だ



自分でやらなくなったら
結構すぐ忘れちゃうものね
これからは忘れないだろうけど




ひかりはぱたぱたと足音を立てながら
笹の葉を持ってきて

あたしに自慢げに見せる




「ひーたん、おねがいしたの」




ずっと笑顔で





「ひかりちゃんは、ほんとにご両親がお好きなんですね」





他の人から言われると、何だか嬉しくなる




「あたしたちも、ひかりのこと大好きです」





可愛くて大切な
真っ直ぐに育ってくれたら
何も望むことはないわ





「ひーちゃん、帰ろうか」




手を差し出すと
ひかりは小さい手であたしの指を握る





「じゃあ失礼します。ありがとうございました」
「はい、気をつけて。ひかりちゃん、バイバイ」
「さようなら」





先生に手を振って
歌を歌いながらゆっくり帰る




「さーさーのーはーさーらさら のきばにゆーれーる
おーほしさーまーきーらきら そーらーかーらーみーてーる」




太陽がまだ眩しくて




「ひーちゃん、何お願いしたの?」




気になってた




ひかりから帰ってきたのは




「ないしょなの」




っていう言葉と笑顔だけ



すっごく気になるんだけど
その笑顔

あんまししつこく、子供相手に聞くのもどうかと思って





「じゃあ、今度教えてくれる?」




とりあえず納得しなくちゃ




うちに帰って、ヒカルが帰ってくるのを待つ

遅くならない日以外は、みんなでご飯を食べるから



6時頃
ヒカルは帰ってきた




「ただいまー」



声が聞こえたとたん、ひかりは玄関まで走っていく



「おかえりー」
「ただいま。ひかり、ただいまー」




ヒカルに頭をなでてもらって
両手を広げて
「抱っこ」
の格好をする

ヒカルは抱き上げて



「風呂先でいい?」

お風呂場を指差す



「いいよ。光も一緒に入れてくれる?」
「りょーうかい!」




ヒカルたちがお風呂に入ってる間に
夕食の支度を進める





「ひかり、ほらちゃんと拭かないと風邪引くだろ?」



毎回苦労してるみたい





「お疲れー
ご飯できてるよ」
「腹減ったー」





ひかりと光を隣に座られて
ご飯を食べさせる



ひかりはスプーンが使えるから、ヒカルの隣で食べさせる






ご飯を食べさせて
歯磨きをさせて
寝かせたら
ここからはあたしとヒカルの時間





「今日は勝った?」
「中押し勝ち」
「おー!」
「あと3勝したら、リーグ入りだ」
「頑張ってね」
「ん。」




敬意と激励を込めて短いキスを





「そうだ!七夕さまにお願いしようか」
「七夕さまぁ?」
「今日七夕でしょ?願いごと書いて」



子供の頃を思いだす




「えっと…
ヒカルがタイトルをとれますように…」
「神頼みかよ…」
「しょうがないでしょ?あたしにはこれくらいしかできないもん」

応援することしかできないもの



「そんなことないって!俺、あかりがいるから頑張れるんだぜ?」
「ありがと」


お礼のキスを一つ


「もっと高いとこに飾って?」
「何で?」
「届きそうじゃない?」



空まで

星まで届け



ヒカルは笹の葉を
少し高いところにあげてくれる




「ここでいい?」
「うん。ありがと」



ソファに座って一息



「ひかりが今日言ってたんだけどね
短冊に願いごと書いたんだよ」
「へー!何?」
「知らない。聞いたら内緒って言われちゃった」
「何だそれ。あかりの秘密主義は、ひかりに遺伝したか…」
「あたし、秘密なんか作ってないよ?」
「嘘だ」
「何で!?」
「付き合ってる時言ってた、あかりの叶った願い。俺聞いてないし」



まだ覚えてたのね
変なとこでだけ、記憶力いいんだから





「ヒカルとずっと一緒にいられますように…」



聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で



「え?何?」




やっぱり聞こえないか


恥ずかしいよ








「で?何?」






「ヒカルとずっと一緒にいられますように・・・ってお願いしたの!」




半ばやけになる

もう叶ったあたしの願い
あの時のヒカルの願いは叶ったかな?




次の願いは叶うかな?
願えば叶わないことなんてないのかもしれない








「ひかりは何てお願いしたのかな?
ちょっと見てみない?」
「いいのかよ、そんなことして」
「ヒカルは気にならない?」
「なるけど」





あたしたちは顔を見合わせて
ひかりの願いを







「だいすき」





ひらがなでそう書いてあった







パパもママも、ひかりが大好きよ
もちろん、光も
2つだった願いが3つになって
そのうち4つになっていく
重なる願いが多いほど、それは叶うはず


空に届きますように










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ひかり七夕ネタです。
日記連載したものの続きっぽくしてみました。
あの連載から7年後の設定です。
ひかりちゃん3歳。光くん1歳です。
ちなみに進藤さん夫婦は24歳です。

慌てたので、読みにくいかもですが、すみません(滝汗)
ちょっと落ち着いたら、もっと見やすくします。

ひかりちゃんはパパが大好きで。
光くんはお姉ちゃんが大好きでです。
ちなみに恋人ひかりはこちら。


七夕。短冊によく願い事書きました。
天の川。見れるといいですね。
皆様の願いが叶いますように。










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