どうしてこんなに気になるんだろう
心に思い描くだけでドキドキするの
それはきっと












まだヒカルに抱きしめられたぬくもりが残ってる

久しぶりにヒカルの家に
指導碁を打ってもらいに押しかけた

そのあとヒカルは急にあたしを抱きしめた
顔も赤かったし、風邪でも引いたのかな?


正直、こんなにドキドキするなんて
思ってみなかった
だってヒカルはあたしの幼なじみで
それだけで


ほんとにそれだけ?






ダメだ、何をしても
今はヒカルのことしか考えられない

「寝よ・・・」


考えたって仕方がない
ひょっとしたら、夢だったかもしれないし。
とりあえず寝ようと
あたしは布団の中へと入った



しばらくはヒカルが頭の中を支配してたけど
知らないうちに眠ってた




「うぅ・・・」


朝起きて鏡を見ると、あたしの目の下にはすごいクマ
結局熟睡できないで。
1時間くらい寝ては、ヒカルを思い出し
それの繰り返し。

「どうしよ・・・」

これじゃヒカルと顔をあわせられない
今日も会う約束してるわけじゃないけど。
「会いたいなー」
なんて。

ああもう!
ヒカルのことはしばらく忘れよう!
そうしないと、頭がおかしくなりそう

あたしはそう決めて、
とりあえず学校へと向かった


学校はもう地獄だ。
イヤでも、ヒカルとか、進藤とか
そう言った単語が聞こえてくる
あたしの居場所がないー!
なんて、被害妄想に陥るとこだった

様子のおかしいあたしに
久美子が話しかけてきた


「あかり、進藤くんと何かあった?」

いきなりそういう質問ってあり?
普通
「何かあった?」
とか聞くものじゃないんですか?
何か複雑


「別に何もないよ?」

それでも心配する久美子は
あたしを部活に出さず、帰るように支持をだした

あたしはもう、とにかく一人になりたくて
学校が終わると同時に、さっさと帰路へついた

歩いていると携帯に着信が。
そこに示されるのは「ヒカル」という文字
こんな状態では出られない。
あたしはそう判断し、そのまま無視をして歩き続けた



何かあたし、おかしい
なんでこんなにドキドキしてるの?
ちょっと前までは、全然そんなことなかったのに




うちに帰ると、そこにはヒカルがいて


「・・・」

あたしは、声にならなくて
ただヒカルを唖然と見つめた

奥からお母さんがお茶を持ってきて

「あら、おかえりなさい。」
笑顔で出迎える

あたしはお母さんに問い詰める

「何でヒカルがいるの?」
「何でって・・・
お母さんが帰ってきたとき、
ヒカルくんが玄関先にいたのよ」

何でヒカルが?

「外で待ってるのも暑いと思って、
入ってもらったの」


お母さんは、何故かやたら笑顔

「ほら、お茶。
部屋に持って行きなさい」

こんな状態のあたしを、ヒカルと二人きりにするなんて
お母さん、親失格だよ!

その後一言

「ヒカルくん、かっこよくなったわね」



(うちの親はー!!)
あたしは密かにこぶしを握り締めた

それでもヒカルに変に思われるのがイヤで

「部屋、行く?」
と笑顔で話しかけた

ヒカルは何も言わず立ち上がり、

お母さんの入れたお茶をの乗っているお盆を持って

「すみません」
と一言

あたしはもう気が気じゃなくて
仕方ないから
ヒカルの先を歩く


「入って」
とヒカルを部屋に入れ
「ちょっと待っててね」
と、あたしは部屋を出る

(落ち着け、落ち着け)

深呼吸

よし!

がちゃ

と自分の部屋の扉を開ける
自分の部屋に入るのがこんなに緊張するの初めて
普通にしなきゃ


ヒカルはお茶をすすって
何故かくつろぎモード
(人の気もしらないで)
あたしはちょっと不機嫌モード

そんな落ち着いたヒカルを見てたら、
ドキドキしてるのが馬鹿らしくなってきて
逆に腹立たしさが芽生える
だけど、少しの光がヒカルの髪を照らすたび
整った顔がさらに際立ち、また心臓が波打ちはじめる



「どうしてうちの前にいたの?」

あたしは唐突に聞いた

ヒカルは持っていた湯飲みを置き
まっすぐにあたしを見る
その視線から目が逸らせない


「何で電話に出なかったんだよ?」

答えるヒカルの声色は、何故か穏やかではなくて

「・・・」
あたしは何も答えられない

「答えろって」

そういうヒカルの声は、いつもと違う
少し怒っているような

だってこんな状態で電話になんて出れなくて
ヒカルの声を聞くだけでドキドキしそうで
あたし、ビョーキかもしれなくて
それは
ヒカルにだけ反応するビョーキ

そんなの知られたくない


「気づかなかったの」

と、嘘を答えた
ヒカルの顔が見られない

「電話くれたんだ?ごめんね、気づかなくて」

平然を装って、わざとらしいかもしれない笑顔を向ける




「あかり」

突然ヒカルに名前を呼ばれて
あたしの心臓はさらに脈を増す

「何?」

ダメだ
顔が熱い
全身が熱っぽくて
どうにかなってしまいそう


「ごめん」
ヒカルの口から出たのは
思いもかけない謝罪の言葉

何でヒカルが謝るの?

あたしはヒカルを見た
ヒカルの顔は少し赤くなっていて
あたしを抱きしめたときの顔


「昨日あんなことしてごめん」

ヒカルの言葉で
昨日の記憶がよみがえる
あたしの身体に、また熱が戻る



「でも、いいかげんじゃないんだ」

どういう意味?

「今はまだ言えないけど、ちゃんと言うから
だから、もう少し待ってて?」



ヒカルだ


そう思ったら、何だか少し気が楽になって
笑いがこみ上げた


「何で謝ってるの?
ヒカル、悪いことしたの?」

あたしは笑いながらヒカルに問う
あたしの笑いが気に入らないらしく
ヒカルは

「お前・・・笑うか?普通」
少し不機嫌な声を出す


あたしはしばらく笑い続けて


「ごめん、おかしわけじゃないんだ」
笑いはいつしか、涙を含む笑いへと変わっていく


「あかり!?」

あたしのおかしな態度に、ヒカルは驚いてあたしの名前を呼んだ


「何でもないよ」

それだけ言うのが精一杯で



ヒカルの態度に振り回されて
あたし、今日一日まともに過ごしてない

ヒカルのちょっとした態度に困ったり笑ったり
泣いたり喜んだり
いろいろ
あたしの感情は、すべてヒカル次第



ヒカルはきっと、困ったんだろう
あたしの頭を
ぽんぽんと叩き
まるで小さい子供をあやすように
ヒカルの大きな手のひらに
少し安心して

そしたらまた、涙がでてきて

あたし、やっぱりおかしい
だけどきっと
ヒカル次第で全部が変わる

この病気だって
きっと彼次第







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20のお題にありました「病」の続編?
あかりちゃんverです。
やたらラブラブなのは何故?
幸せな二人を見るのが好きですv

ちなみにお題の進藤さんverはこちら。










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